EDコラム

【医師監修】EDと男性不妊症は互いに因果関係にある

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現在不妊症の比率は、世界中の過去の調査を2007年にまとめた報告では、不妊症の比率は、調査された時代や国により1.3%から26.4%に分布し、全体では約9%と推定しています。(※1)
不妊症には様々な要因がありますが、その半分は男性側にあるといわれています。男性側の要因によって自然な妊娠に至らない状態は「男性不妊症」とされ、造精機能障害が主な原因としてあげられます。
そんな男性不妊症はEDによっても引き起こされることがあります。EDと男性不妊は互いに因果関係にあり、男性不妊がEDの原因となることもあります。
今回は、EDと男性不妊の関係ついてご紹介します。

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男性不妊症と主な原因

医学的な定義では、結婚後2年間、避妊を行っていないにも関わらず妊娠に至らない場合、不妊症と診断されます。不妊症の要因は女性と男性の両方にあり、そのうち男性に要因があるものが男性不妊症と診断されます。
男性不妊症の主な原因としてあげられるのが、造精機能障害です。造精機能障害とは、精巣や内分泌系の異常によって精子をうまく作ることができなくなる状態のことをいいます。無精子症、乏精子症、精子無力症の3種類があり、各症状の特徴は以下の通りです。

・無精子症
無精子症は、射精される精液内に精子が一匹も存在しない症状のことです。閉塞性と非閉塞性があり、閉塞性は精巣内で精子が作られているものの精子の通路が塞がっている状態、非閉塞性は精巣内で精子が作られていない、もしくは精子の量が極端に少ない状態のことをいいます。
・乏精子症
乏精子症とは、精液内の精子数が少ないという症状です。一般的な定義では、精子濃度 15×106 /ml 以下の状態とされています。
・精子無力症
精子無力症は、精子の数は正常であるものの、精子の運動率が悪い症状です。

これらの症状には、タイミング療法やホルモン療法、人工授精や顕微授精、体外受精などの不妊治療が効果的です。泌尿器科でホルモン検査や精液検査、問診を受けることで、ベストな治療法を提案してもらえます。

EDによって引き起こされる男性不妊症

男性不妊症は、造精機能に異常がない場合でも起こります。
その例としてあげられるのが、EDなどの性機能障害です。EDでは、満足な性交を行うための勃起が得られないことから不妊に至ってしまいます。また、勃起はしても、膣内射精障害などで不妊になることもあります。

性機能障害が原因の男性不妊症の治療では、性行為そのものに障害をきたさないことが重要です。
たとえば、妊娠の確率が高い排卵日の2日前から排卵日にかけて性交を行うタイミング療法は、性交のタイミングに固執しがちになり、性行為に支障をきたしかねません。EDを改善するためには、性交への緊張や抵抗、不安などを取り払い、リラックスした状態で行為に及ぶようにしましょう。そのためにも、パートナーへ自分の症状を打ち明け、一緒に治療に取り組むのが良いでしょう。ED治療を専門に取り扱うクリニックへ足を運び、カウンセリングを受けたり、バイアグラなどのPDE5阻害薬を試してみるのも一つの方法だと思います。

また、EDを引き起こす動脈硬化や糖尿病の予防・改善に取り組むことも重要です。中でも糖尿病は軽症でもEDを引き起こし、重症となれば射精障害や逆行性射精、無精液症の原因にもなります。

男性不妊症がEDの原因になることもある

男性不妊症とEDは互いに因果関係にあります。というのも、EDは男性不妊症の原因であると同時に、男性不妊症によって引き起こされる症状でもあるからです。ある調査でも、不妊症の検査を受ける前は性機能に問題のなかった男性405名のうち、11%が精液検査後にEDの障害を訴えたといいます。(※2)

男性不妊症によるEDには精神的な諸要因が深く関与しており、不妊症の男性が抱きがちなパートナーや周囲からのプレッシャーなどが主な原因となります。実際に、普段は問題なく性交ができるのに、排卵日には“妊娠させなければならない”という緊張や不安からEDになってしまうという人もいるようです。

こういった男性不妊症によるEDは「不妊ED」と呼ばれています。不妊EDは、成功経験が積み重なっていくことで自然に改善されていきます。そのため、バイアグラなどのPDE5阻害薬を使って男性としての自信を身につけていくのも効果的です。
また、マスターベーションで勃起する場合には人工授精の適応となるため、造精機能に重大な問題がなければ妊娠も十分可能です。人工授精で妊娠・出産に成功した後いつの間にかEDが治っており、2人目のときには問題なく自然妊娠ができたという人も多いといいます。

性交は妊娠のみならず、パートナーとの関係を良好に保つ手段でもあります。パートナーとの良好な関係は、不妊治療においても欠かせないものです。男性不妊症の疑いがある人は、不妊治療に取り組みながらもパートナーとの性生活を楽しむことを忘れないようにしましょう。そうすることで、性交時のプレッシャーを感じにくくなり、不妊EDの予防や男性不妊症の改善に繋がりやすくなります。

参照記事

※1)日本生殖医学会、不妊症Q&A、Q3. 不妊症の人はどのくらいいるのですか?
http://www.jsrm.or.jp/public/funinsho_qa03.html

※2)公益財団法人日本医療機能評価機構、Mindsガイドライン、ED診療ガイドライン、4.EDのリスクファクター
http://www.jsrm.or.jp/public/funinsho_qa03.html

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この記事の監修者

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瀬田 真一

イースト駅前クリニック 横浜院 院長


1996年03月 聖マリアンナ医科大学医学部卒業、1996年05月 聖マリアンナ医科大学 第一外科入局、2003年04月 聖マリアンナ医科大学 消化器一般外科勤務、2005年04月 聖マリアンナ医科大学 横浜市西部病院外科医長、 2011年7月 イースト駅前クリニック新橋院 院長就任、2016年04月 イースト駅前クリニック横浜院 院長就任