バイアグラ
ED(勃起不全)治療薬バイアグラの主成分(シルディナフィル)から分かる効果と作用
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バイアグラは今でこそED治療薬として名前が知られていますが、最初からED治療薬として開発されてはいないのです。もともとは、狭心症の薬として開発が進められており、その臨床試験の過程で男性器の勃起を促進させる効果が認められ、男性器の勃起不全を適応症として販売が開始されました。
ここではバイアグラの主成分であるシルディナフィルの作用や効果、代用が可能なものがあるかどうかといった内容をご紹介します。
この記事の監修者 ED治療を相談する


池袋院
2006年北海道大学医学部を卒業。札幌医科大学付属病院での研修医や、釧路優心病院精神科での勤務医を経て、2017年10月よりイースト駅前クリニック京都四条烏丸院の院長を務め、2020年10月より池袋院の院長となる。趣味はスポーツ全般、特に野球が好き。
ED治療薬のバイアグラの誕生の歴史
バイアグラは1998年にアメリカ合衆国で販売されると、日本でも個人輸入代行業者による輸入が始まりました。当時は使い方も正しく広まっておらず、硝酸塩薬の服用者がバイアグラの服用によって死亡する事例が発生したこと(※2)で社会的に話題となり、安全性を確保するという意味合いもあって1999年に処方箋医薬品として承認されました。これによって国内でも正規品が手に入るようになり、日本で医師の処方の元服用できるようになりました。現在は病院やクリニックで処方され、ED治療薬として広く知られているようです。
バイアグラの効果と作用、有効成分シルディナフィル
さて、多くの場合バイアグラは男性器の勃起不全を適応症としており、勃起不全の改善をサポートするために用いられます。以下では、そのメカニズムについてご紹介します。
そもそも男性器の勃起は、海綿体に血液が集まることで起こります。この血液を集めるために重要な働きをするのが、「環状グアノシン一リン酸」です。環状グアノシン一リン酸は男性器を刺激することで形成され、海綿体の筋肉を弛緩させる効果があります。これにより、海綿体に血液が流れ込むようになるのです。
ところが、この環状グアノシン一リン酸の働きを阻害する酵素があります。「5-ホスホジエステラーゼ」と呼ばれるもので、これによって環状グアノシン一リン酸は分解されてしまいます。これが、男性器の勃起不全の原因となっています。バイアグラの有効成分である「シルデナフィル」は、この5-ホスホジエステラーゼの働きを妨害する効果があります。これによって環状グアノシン一リン酸は本来の働きができるようになり、男性器が正常に勃起できるようになるのです。
シルディナフィルがED治療薬として発見された背景
シルデナフィルはもともと、狭心症の治療薬として開発が進められていました。その臨床試験の結果、男性器の勃起を促進する作用が認められたため、ED治療薬として研究されることとなったのです。そうして1998年にアメリカで発売されたのが、シルデナフィルを有効成分とするバイアグラです。
シルデナフィルがED治療に効果的な理由として、PDE5を阻害する働きがあることがあげられます。このPDE5は、EDに大きく関係している成分なのです。
ED患者の場合、さまざまな理由からcGMPの放出量が少ないため、相対的に5-ホスホジエステラーゼ(PDE5)の量が多くなってcGMPを余計に壊してしまいます。そのため、上述のようにシルデナフィルによってPDE5の働きを阻害することで、正常に勃起できるようになるのです。
シルディナフィルを含むその他の薬品にED治療の効果はあるのか
イアグラの主成分である「シルデナフィル」は肺動脈性肺高血圧症の治療薬であるレバチオの主成分でもあります。そこで気になるのが、レバチオをEDの治療に使用できるのかということ。レバチオは、バイアグラの代わりになるのでしょうか。
バイアグラとレバチオは同じくシルデナフィルを主成分とした治療薬ですが、その目的が異なることからその他の成分は異なります。そのため、同じ薬であるとはいえません。加えて、バイアグラは性行為を行う約1時間前に服用する薬であるのに対し、レバチオは1日3錠を繰り返し服用する必要があります。こうした細かい成分や用法の違いがあることから、EDの治療を目的としてレバチオを服用するのは避けるべきだといえます。
また、バイアグラの処方が自由診療であることに対し、レバチオの処方には保険が適用されるため、費用面でレバチオを使用したいと考えることもあります。しかし、レバチオが保険適用となっているのは肺動脈性肺高血圧症の治療に対してであるため、そもそもEDの治療薬として保険が適用されるわけではありません。用量もバイアグラが基本的に50mgであるのに対してレバチオは20mgであるため、わざわざレバチオを服用する必要性はないといえます。
まとめ
バイアグラの主成分であるシルデナフィルは、PDE5の働きを阻害することで正常な勃起を促すPDE阻害薬です。肺動脈性肺高血圧症も同じくPDE5が重要なファクターとなっていることから、シルデナフィルを主成分としたレバチオが治療に用いられています。ただし、バイアグラとレバチオは細かい部分で異なる点が多く、主成分が同じだからといってED治療としてレバチオを服用するのは避けるべきです。
また「バイアグラを服用後にどれくらいで効果が現れるのか」、「効果がどれくらい持続するのか」は、利用者にとって気になる点であるといえます。効果を実感したいときに発揮されなければ、飲んでいる意味が薄れてしまいます。バイアグラを服用すると、30分程度で効果が実感できるようになり、1時間程度で効果のピークを迎えます。その後は徐々に効果が減退していき、4時間程でピーク時の半分ほどになります。こういったことから、バイアグラは性行為を行う1時間ほど前に服用しておくのがベストの使用法であるといえます。バイアグラとはどのような薬であるか、ある程度はおわかりいただけたかと思います。バイアグラは幅広い人に効果が認められている薬です。ただし、服用する際にはいくつか注意点もあるため、医師の指示をよく聞いて服用することが大切です。
■参考記事
※1) ファイザー株式会社 勃起不全治療剤「バイアグラ®」の新剤形 「バイアグラ®ODフィルム」 10月21日に新発売
https://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/press/2016/2016_10_21.html
※2) 日本経済新聞 1月25日 バイアグラを承認 医師管理下での服用促す
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO26069770U8A120C1EAC000/
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食事の影響を受けやすいという欠点もありますが、バイアグラは1999年に発売開始されてからED治療薬として長い間多くの患者様に服用されています。
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2014年にバイアグラ(ファイザー製薬)の特許が切れ、日本のジェネリック医薬品メーカーがバイアグラの後発薬を発売しています。
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体内への吸収が速いため即効性があるといわれています。また作用時間も長いED治療薬です
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ED治療薬を飲むとずっと勃起した状態なのですか?
ED治療薬の効果発現は、刺激があると勃起して刺激がなければ普通の状態のままでいることです。ずっと勃起したままの状態にはなりませんのでご安心ください。
ED治療薬の特徴は自然な勃起状態になることです。 -
いろいろ薬を飲んでいますがED治療薬は飲めますか?
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持続時間、有効成分、食事によって効果の出現が左右されるかなどの違いがあります。
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