EDコラム

心因性ED(機能性ED)とは?若くても発症する?原因や対策、治療方法

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心因性EDという言葉をご存知でしょうか。例えばたった1度、不調に終わった性交が原因でEDに陥る場合があります。こうした心や精神が関わることで発症するEDを心因性EDと呼びます。心因性EDと感じたときその原因はどこにあるのでしょうか。今回は、心因性EDについて原因や対策をご紹介します。

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心因性EDとは

ストレス、不安、うつ病など精神的な要因が影響して発症するEDを心因性ED(もしくは機能性ED)といいます。心因性EDは「主たる原因が、精神的な要素あるいはパートナーとの関係にあるED」と定義されており、身体的(器質的)な原因がないことが特徴です。

心因性EDの特徴

・突然の発症
・特別な状況で発生する
・夜間(早朝)勃起は正常
・パートナーとの関係に問題がある
・性の発育段階に問題がある

出典:ED診療ガイドライン 2012年版

そもそも心因性EDにはどのような特徴があるのでしょうか。公益財団法人日本医療評価機構の「ED診療ガイドライン2012年度」によると、その臨床的特徴を5つ列挙しています。 また、心因性EDは他の性機能障害や精神疾患を併発することが多いので注意が必要です。性欲低下やうつ、不安障害といった症状がある場合も心因性EDを疑ってみましょう。 (※1)

心因性EDを発症しやすい年代

20代~30代であってもEDになる人は増えており、特に心因性EDが多い傾向にあります。 2018年1月4日から3月31日までの3か月間に当院に来院された初診患者1,307人に疫学的調査を実施しました。その結果、来院者1,307名のうち、20代・30代が全世代の27.2%を占めており、若年層でのED相談件数は増加傾向にあります。

さらに各種の相談内容は、自慰行為ができても性行為はできないといったものであり、心因性を含めEDを発症しやすい年代の低年齢化が浮き彫りになりました。 (※2)

心因性EDは治る?

心因性EDを治すことは可能です。しかし心因性EDを治療するには確実な心因を特定する必要があります。

1人で治そうと苦心せず、セックスセラピストなど専門家の力を借りた、心理療法(カウンセリング)を受けてみましょう。また、近年は心因性ED治療に有効な治療薬も開発されています。どんな治療法が有効かは、自分で判断せずクリニックの受診をおすすめします。 (※1)

心因性EDを発症する主な原因

・予期不安
・不安発作
・軽症うつ病
・不妊外来
・ターン・オフ

心因性EDの病因となる代表的なものは上記の5つです。それぞれ詳しくみていきましょう

予期不安

過去に性交に失敗したことが心因となって、「今夜はうまくいくだろうか」という不安からEDを発症するというものです。これを繰り返すと不安が増し、悪循環に陥ってしまいます。

不安発作

不安発作は死の恐怖やそれに近いトラウマを抱えている人が起こしやすいと言われています。性交時の動悸や息切れが恐怖を感じたときの発作を思い出させてしまい、結果としてEDに陥ってしまいます。

軽症うつ状態

慢性的な疲労状態にあり、意欲などが低下している状態をいいます。疲れる性行為を避ける傾向にあり、結果としてEDを起こしてしまいます。この状態の場合は休養を取ることを最優先してみましょう。

不妊外来

不妊外来による欲情を伴わない性交がEDを誘発することもあります。またこのパターンでは妻の膣に残した精液を診られることへの抵抗感も原因であるといわれています。

ターン・オフ

自らの性欲を無意識のうちにターン・オフ(スイッチを切る)している現象です。性的な雰囲気を感じると、無意識に仕事など別のところに意識を集中しEDを引き起こしてしまいます。ターン・オフは性交に伴う不安に対する一種の防衛反応だと考えられています。 (※2)

心因性ED克服のための対策方法

心因性EDとなったときには、具体的にどんな対策をとればいいのでしょうか。実際の治療法や治療薬についてみていきましょう。

精神療法

脱感作療法
感覚焦点法
カップル療法
行動療法
性教育
性的な技術の訓練
マスターベーション訓練

公益財団法人日本医療機能評価機構「EDガイドライン2012年版」には、精神療法として上記の方法が列挙されています。これら精神療法を単独あるいは組み合わせるなど、その人個人に合わせながら治療を行います。

PDE5阻害薬の使用

シルデナフィル
バルデナフィル
タダラフィル

心因性EDの治療にはPDE5阻害薬と呼ばれる薬が用いられます。元々は前立腺肥大症に対する治療薬として開発されたもので、陰茎海綿体平滑筋を弛緩(ゆるむ)させることで、勃起を促進する効果があります。現在、厚生労働省の承認を受けたものはシルデナフィル(バイアグラ)、バルデナフィル(レビトラ)、タダラフィル(シアリス)の3剤。

日本性機能学会/日本泌尿器学会編集「ED診療ガイドライン」によると、シルデナフィルは、12週間の試験期間で勃起が改善したと答えた者が76%(3000名以上)という報告があります。バルデナフィルは、2年間の長期試験で479名中90〜92%に効果が認められています。タダラフィルについては、軽度・中程度のED患者1,112名のデータによると、41〜81%に勃起の改善が認められています。 (※1)

心因性EDは1人だけの問題じゃない!パートナー・医師とともに解決へ

心因性EDの原因は、目に見えないこともあり実に様々です。治療のためには確実な原因を特定することが欠かせません。心因性EDは当人のトラウマだけでなく、パートナーとの関係性も原因と考えられます。だからこそ、1人で悩まず積極的にクリニックを受診し、パートナーと一緒に考えていくことが大切です。

参考URL

※1)日本医療機能評価機構、ED診療ガイドライン2012年版
https://minds.jcqhc.or.jp/n/med/4/med0131/G0000436/0046/0051
※2)バイエル社、EDについて素朴なよくあるご質問
https://ed-netclinic.com/q-and-a/faq.php
※3)阿部 輝夫、性と心身医学
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjpm/38/4/38_KJ00002386569/_pdf/-char/ja