EDコラム

年齢だけじゃない!EDを引き起こす様々な原因

EDを引き起こす要因のひとつに、加齢があります。年齢を重ねるほどに発症率が高まる言われているため、中高年のED患者の数は自然と多くなります。なお、EDの原因は年齢だけではありません。30代といった比較的若い世代でもEDになる人はいるため、若いからといって安心することはできません。(※)
EDの原因はさまざまで、それによって対処法も異なります。そこで今回は、正常な勃起のメカニズムやEDになる原因についてご紹介します。

勃起のメカニズム

1gear-1636119_1920正常な勃起は、物理的な刺激や性的な興奮によって陰茎海綿体に血液が流れ込むことによって起こります。

陰茎には、左右一対となる陰茎海綿体があります。この海綿体は極めて細い血管が集まってできたスポンジ状の器官で、分厚い白膜によって覆われています。陰茎海綿体につながる血管や平滑筋は収縮しているため、通常時は血液が大量に流れ込むということはありません。しかし、男性器への物理的な刺激や性的な興奮を脳が感じると、その情報が脊髄神経を通って陰茎に伝わります。その結果、体内で一酸化窒素が放出され、cGMP(環状グアノシン一リン酸)という物質が増加します。

cGMPは天然の血管拡張剤ともいえるもので、これが増えることで陰茎海綿体の平滑筋が緩みます。これにより、海綿体へと血液が流れ込み、その圧力によってスポンジ状の海綿体は膨らんで硬くなります。これが、正常な勃起のメカニズムです。陰茎が勃起すると海綿体を覆う白膜も膨らみ、静脈を圧迫します。これによって流れ込んだ血液は出て行きにくくなり、勃起が持続します。

射精を行う、あるいは性的興奮が治まると、PDE5という物質の働きが活発になります。このPDE5にはcGMPを分解する作用があるため、海綿体の血管や平滑筋が閉じ、勃起が収束します。

物理的な原因によって起こるED

物理的な原因によって起こるEDを、器質性EDといいます。器質性EDの原因としては、加齢、生活習慣病に起因する動脈硬化、外科的手術による陰茎付近の神経の損傷、事故などによる伝達神経の損傷、テストステロンの低下などがあげられます。

それぞれの原因により、器質性EDは主に以下の3種類に分類されています。

・血管障害
血管障害によるEDでは、加齢による動脈硬化が原因となることが多くあります。生活習慣病との合併も考えられるため、勃起不全だけでなく、他の症状にも気をつける必要があります。

・神経障害
神経障害によるEDは、脳からの信号が陰茎まで効率的に伝わらないことで発生します。パーキンソン病やてんかん、糖尿病性神経症といった疾患によっても引き起こされます。

・内分泌機能低下
内分泌機能低下によるEDでは、加齢やストレス、喫煙・飲酒などによるテストステロンの低下が主な原因となっています。

精神的な原因によって起こるED

物理的な原因によって引き起こされる器質性EDに対し、精神的な原因によって引き起こされるEDを心因性EDといいます。正常な勃起は、物理的な刺激と精神的な興奮によって起こります。そのため、性行為に臨めるような精神状態でない場合、男性器は勃起しなくなります。これが重度になると性行為の度に正常な勃起ができなくなり、緊張感や焦りが増大した結果心因性EDになります。

心因性EDは、原因となった心因によって現実心因と深層心因の2種類に大別されます。現実心因は、日常生活でのストレスや心理的諸要因が原因で引き起こされる心因性EDです。原因としては性行為に際しての過剰な緊張・あせり、家庭内不和、性的なコンプレックスなどがあげられ、自分自身で原因に見当がつくことが特徴です。これに対して深層心因は、自分自身では原因に見当がつかない場合が多くあります。たとえば幼少期のトラウマや抑圧された怒り・憎しみ、ホモセクシュアルなどがあげられます。

このほか、うつ病などの精神疾患によって引き起こされるケースもあります。

薬によって起こるED

EDには、物理的・精神的な原因以外で引き起こされるものもあります。それが、薬によって引き起こされるED、薬剤性EDです。

薬剤性EDの場合、日常的に使っている薬の副作用などによって勃起不全が引き起こされます。近年はうつ病などの精神疾患を患う人も多く、精神安定剤や抗うつ薬、睡眠薬といったものを服用するケースが増えています。こういった薬の中には、EDを引き起こす副作用があるものもあるのです。

また、こういった精神系の薬の添付文書にはEDに関する注意が書かれていないこともあり、そもそも副作用としてED症状が出ることを知らない人も多いものです。仮にED症状について注意を受けていない場合でも、調子がおかしいと思ったら病院を受診しましょう。

これ以外には、高血圧の人が服用する降圧剤も薬剤性EDの原因となることがあります。

混合型EDに関して

薬によって引き起こされる薬剤性EDは特殊な例であるため、基本的にEDは器質性EDと心因性EDに大別されます。しかし、場合によっては器質性EDと心因性EDの両方が同時に発現することもあります。こうした2種類が混在するEDのことを、混合性EDといいます。

混合性EDの多くは、器質性EDから発症します。何らかの病気やケガなどによって血管や神経に異常をきたし、正常な勃起ができなくなります。その後、原因となった病気・ケガの症状やEDであるということに精神的な負担を感じ、今度は心因性EDを引き起こします。混合性EDを引き起こす主な原因としては、糖尿病や腎不全、事故などによる外傷などがあげられます。

混合性EDは上述したように物理的要因と精神的要因の両方から発症するため、治療を行う際にも両方の視点からアプローチしていく必要があります。

 

EDの対処法

3tablets-2248375_1920EDの対処法としては、まずED治療薬による治療が考えられます。日本で認可されているED治療薬は、バイアグラ、レビトラ、シアリスの3種類です。これら3種類の治療薬はすべてPDE5の働きを阻害する作用があり、cGMPが過剰に分解されることを防ぎます。ただし、ED治療薬による治療はあくまでも現在のED症状を改善するためのものであり、根本的な原因を解決できるものではありません。また、器質性EDの場合は神経の損傷などによって物理的に勃起することができないケースもあるため、ED治療薬の効果が期待できないこともあります。

EDを根本的に治すためには、それぞれのEDに見合った治療を行う必要があります。器質性EDの場合、生活習慣の改善や手術などによって原因を解消します。心因性EDの場合は、カウンセリングを受けるなど精神的な負担を軽減することが大切です。

 

参照記事

※1)バイエル薬品EDネットクリニック、データで読む日本人のED

https://ed-netclinic.com/about_ed/data.php