プロペシア

フィナステリドの効果とは?効果のしくみや発現までの期間を解説

最終更新日:

AGA(男性型脱毛症)に対して多くの治療薬が開発されている中、フィナステリドは特に効果が高い成分です。今回は、そんなフィナステリドの効果のしくみをはじめ、効果が現れるまでの期間、効果が実感できない場合に考えられる原因や対策について詳しく解説します。

目次※知りたい情報をクリック

フィナステリドの効果とは

「フィナステリド」とは

「フィナステリド」とは、AGA(男性型脱毛症)の治療に用いられる有効成分の一つです。1990年代のアメリカで、元々は前立腺肥大症の治療薬として開発が進められていました。その開発中、脱毛症状が改善されることが判明。1997年、AGA治療薬として、アメリカの食品医薬品局(FDA)に承認されました。

日本では、2005年にAGAの治療薬として承認を受け、MSD株式会社から「プロペシア」という商品名で販売が開始されています。また、2015年には特許期間が経過したため、ファイザー株式会社から「フィナステリド錠」と呼ばれるジェネリックの製造販売が開始されました。

フィナステリドとは商品名ではなく、プロペシアやフィナステリド錠に含まれる有効成分のことです。同じ有効成分フィナステリドを含む、上記2つの治療薬の効果に大きな違いはないとされています。 (※1)

どのような効果を持っているか

フィナステリドは、テストステロンをジヒドロテストステロンへ変換する「5α-還元酵素」の働きを阻害する作用を持つ薬です。特に前頭部や頭頂部の毛根に多くある「Ⅱ型5α-還元酵素」の働きを強く阻害するとされています。このため、フィナステリドを内服することにより、前頭部や頭頂部のジヒドロテストステロンの生成量を減らし、薄毛治療に効果的であると言えるのです。 (※2)

フィナステリドの効果が発揮されるしくみ

フィナステリドは1990年代末・2000年代初頭から、AGA(男性型脱毛症)の治療薬として世界中で使用されていきました。その作用機序も明確に知られています。では、フィナステリドは、どのようなメカニズムでAGAの症状を改善するのでしょうか。AGAのメカニズムをおさらいしてから、フィナステリドの作用機序について詳しく見てみましょう。

AGAのメカニズム

AGA(男性型脱毛症)には様々な原因が挙げられます。皮脂汚れや血行の悪さなど、頭皮環境の悪化ももちろんその一つです。しかし、数ある原因の中でも、男性ホルモンの一種であるジヒドロテストステロンが最も大きく関与していると考えられています。

ジヒドロテストステロンとは、テストステロンが還元されることによって生成される物質です。このジヒドロテストステロンは、髪の毛の元となる毛母細胞の成長を抑制する作用を持ちます。このため、ジヒドロテストステロンの量が多くなるほど、脱毛症状が悪化すると考えられているのです。 (※3)

フィナステリドの作用機序

フィナステリドを内服すると、ジヒドロテストステロンの量が減少するため、結果として毛母細胞の成長が保たれて脱毛症を改善することができます。しかし、フィナステリドはあくまでも毛母細胞の成長を妨げるAGAによる抜け毛予防の効果を持つのみで、発毛や育毛を促進する効果はありません。また、薬の量を増やすことによって効果が高くなることは確認されておらず、適量を毎日継続的に服用することが大切です。 (※3)

フィナステリドの効果が現れるまでの期間

MSD株式会社が製造販売を行う「プロペシア」の添付文書によれば、薬は最低でも3か月継続して内服する必要があるとされています。また、効果を実感するには、通常では半年間の継続的な服用が望ましいとされており、効果が現れるまでにはある程度の期間が必要です。

日本人のAGA(男性型脱毛症)患者を対象とした臨床実験では、適量のフィナステリドの服用を2年間続けたところ、68%の人が効果を実感したと報告されています。一方、3年間継続した人は78%が効果に満足しているとされました。つまり、効果は年々増加傾向にあることが示されたのです。

このような報告からも分かるように、フィナステリドは目立った効果が現れない場合でも、半年から年単位の服用が必要と考えられます。しかし、効果がないにも関わらず服用を続けると、思わぬ副作用が現れる場合もあるため注意しましょう。 (※4、5)

フィナステリドの効果を実感できない時に考えられる原因と対策

・側頭部や後頭部の脱毛
・頭皮の毛穴汚れ
・頭皮の血行悪化
・頭皮の病気や他の脱毛症

側頭部や後頭部の脱毛

フィナステリドは、5α-還元酵素の働きを阻害して、テストステロンからジヒドロテストステロンへの転換を抑制します。しかし、5α-還元酵素にはⅠ型とⅡ型があり、フィナステリドはⅡ型に対してのみ作用を持つ成分です。そのため、Ⅱ型5α-還元酵素が多く存在する前頭部や頭頂部の脱毛には効果を発揮しますが、Ⅰ型5α-還元酵素が多い側頭部や後頭部が中心の脱毛症には効果が現れにくい場合があります。

対策
側頭部や後頭部の脱毛が気になる場合は、フィナステリドではなく、Ⅰ型およびⅡ型5α-ジヒドロテストステロンの阻害作用を持つ治療薬を使用する

頭皮の皮脂汚れ

頭皮は皮脂の分泌が多い部位のため、十分に洗浄されていない状態が続くと、頭皮の毛穴の皮脂汚れが生じます。その結果、毛根が皮脂や汚れで詰まり、正常に成長できなくなってしまうことも少なくありません。また、皮脂汚れが悪化すると、頭皮に炎症や細菌感染を引き起こすこともあり、それが脱毛症につながることもあります。

対策
頭皮は清潔な状態を保ち、乾燥しないよう注意する

頭皮の血行悪化

頭皮は非常に血流が豊富な部位です。髪の毛が健康的に生育するには、毛根に多くの血流が維持され、十分な栄養素や酸素が送り届けられる必要があります。しかし、慢性的な肩や首のコリ、喫煙習慣、ストレス、睡眠不足など好ましくない生活習慣が積み重なると、頭皮を含めた全身の血行が悪化。脱毛症を悪化させる原因になりえるのです。

対策
規則正しい生活を心がけ、全身の血行を改善する

原頭皮の病気や他の脱毛症

脱毛症は、中年以降の男性によく見られる症状の一つです。しかし、脱毛症には頭皮の真菌や細菌感染によるもの、甲状腺機能異常など身体的な病気によるもの、栄養不良によるもの、円形脱毛症、抜毛癖などが原因となっているケースも多々あります。当然ながら、これらの脱毛症はフィナステリドでは効果がなく、個別の治療が必要です。

対策
治療を始める前に、脱毛の原因をしっかり確かめる

正しい理解と使用でフィナステリドの効果を最大限に引き出しましょう

フィナステリドは、ジヒドロテストステロンの生成を抑制することで、AGA(男性型脱毛症)の症状を改善する内服薬です。しかし、効果が実感できるまでには長い期間継続して服用する必要があります。効果の現れ方には個人差があり、中にはフィナステリドが効かない脱毛症の場合もありますので、まずはクリニックで脱毛症の原因をはっきり確認しましょう。そして、諦めずに治療を続けていくことが大切です。薄毛に悩んだら、まずはお気軽にご相談ください。

参考URL

※1)MSD プロペシア錠 インタビューフォーム
www.info.pmda.go.jp/go/interview/2/170050_249900XF1021_2_015_1F
※2)アデランス「AGA(男性型脱毛症)とは」
https://www.aderans.co.jp/corporate/rd/docter-about02.html
※3)MSD「プロペシア 作用機序」
https://www.msdconnect.jp/products/propecia/efficacy.xhtml
※4)日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」
https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/AGA_GL2017.pdf
※5)MSD「効果が得られるまでの期間」
https://www.msdconnect.jp/products/propecia/gimon02.xhtml#sec02