AGAコラム

FAGAとは?原因と治療法から近年の研究動向まで紹介!

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女性の薄毛の原因として挙げられるFAGA。「そもそもFAGAとは何なのか?」「AGAと治療法は違うのか?」疑問がつきない方も多いのではないでしょうか。この機会にそんな疑問を一辺に解消していきましょう。またFAGAの概念には近年再考が加えられています。こうした動向についても合わせて紹介していきます。

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FAGAとは?

FAGAは「Female Androgenetic Alopecia」を略したものです。女性が発症する男性ホルモンが原因の脱毛症がFAGAです。脱毛の原因には全身疾患、栄養失調、副作用といったものも存在しますが、これらを除いた女性の脱毛症がFAGAと考えられています。 (※1)

FAGAとFPHLの違い

(※2、3)

男性型脱毛症の症状を女性に当てはめたものがFAGAの特徴です。ところが現在ではFAGAと診断された症状であっても、男性ホルモンの働きでは十分に説明できないことがわかってきました。こうした事態を受け、近年の研究ではFAGAではなくFPHL(Female Pattern Hair Loss =女性型脱毛症)という概念を提唱。女性の薄毛・脱毛症を総合的にとらえ直す動きが国際的に広がっています。

日本皮膚科学会は2010年に「男性型脱毛症診療ガイドライン」を公表し、その中で「女性の男性型脱毛症」という分類を用いました。しかし2017年の改訂版のタイトルは「男性型及び女性型脱毛症診療ガイドライン」となっており、FAGAに変わってFPHLの概念が導入されています。

今回は男性ホルモンの影響とみられる女性の脱毛症に焦点を絞って紹介します。そのため本記事では旧来のFAGAという呼称を用い解説していきます。 (※2)

FAGAの症状

FAGAによる薄毛の症状はクリスマスツリー型と呼ばれます。てっぺんだけがまばらな状態をクリスマスツリーにたとえ表現しています。男性のAGAでは前頭部が後退するか頭頂部のまとまった範囲で毛が抜けていくのが特徴ですが、一方のFAGAは頭頂部を中心とした比較的広い範囲で均等に毛の密度が低下するのが特徴です。

FAGAは閉経後や更年期に発症するのが典型的で、それ以前に男性型脱毛症のような症状が現れた場合は多嚢胞(のうほう)性卵胞症候群といったホルモンの関係する全身疾患の副症状が考えられます。

FAGA以外でよくみられるのは全体的に髪の密度が低下していく「びまん性」の脱毛で、休止期脱毛症と呼ばれます。原因としては妊娠・出産や発熱・消耗性疾患、急激なダイエット、精神的ストレス、外科手術、薬剤の副作用などが挙げられます。 (※1)

FAGAの原因

FAGAはAGAと同じくジヒドロテストステロンの作用で発症します。ジヒドロテストステロンには細胞の増殖を抑制し、髪の成長サイクルを短縮させる働きがあります。この結果として脱毛を発症してしまうのです。

ジビドロテストステロンは男性ホルモンの一種です。毛髪の根元にある5α還元酵素の働きでテストステロンがジヒドロテストステロンに変化してしまいます。そのためAGAを治療する場合にはこの5α還元酵素の働きを抑制するものが一般的です。

ただし上記の通り女性の薄毛・脱毛症にはジヒドロテストステロンの働きでは説明できないものも存在します。例えばAGAでは代表的な治療法である5α還元酵素阻害剤は女性に対して効果を発揮しません。 (※3)

そのほかに考えられる女性の薄毛の原因

FAGAについて解説してきましたがこれに該当しない脱毛症も存在します。その他の主な薄毛の原因についてもここで確認してみましょう。

メタボリック症候群
高血圧
動脈硬化
冠動脈疾患
糖尿病
ビタミンD欠乏
亜鉛欠乏
鉄欠乏

出典:電トロント大学皮膚科/杏林大学医学部皮膚科学教室、『全身と毛髪・多臓器疾患』

上記の疾患・状態はFAGAを含むFPHLの発症リスクを高め、症状の進行を速めることがわかっています。これらの疾患・状態を放置したままではFAGAの治療が十分に効果を発揮しない場合があるため、各種検査によって状態を特定し改善を図る必要があります。 (※1)

FAGA対策で推奨されている治療法と薬の種類を紹介

ではFAGAの治療法にはどのようなものがあるのでしょうか。FAGA対策に適した治療法と薬の種類をみていきましょう。

日本皮膚科学会の「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン」では、女性型脱毛症の各治療法について以下のように推奨度が判定されています。

治療法 推奨度
ミノキシジルの外用 A
LEDおよび低出力レーザー照射 B
アデノシンの外用 B
カルプロニウム塩化物の外用 C1
t-フラノパンの外用 C1
サイトプリン及びパンタデカンの外用 C1
ケトコナゾールの外用 C1
ピマトプロスト及びラタノプロスト外用 C2
成長因子導入および細胞移植療法 C2

(A=行うよう強く勧める、B=行うよう勧める、C1=行ってもよい、C2=行わないほうがよい)

特に推奨されているのはミノキシジルの外用で、FAGA治療法の基本となります。アデノシンの外用は男性については「B 行うよう勧める」となっています。一方で女性を対象とした臨床研究は十分ではなく、有効性を示す根拠が不足しています。とは言ったものの有効性を示す研究が存在しないわけではありません。加えて副作用も軽微であることから女性に対しても「行ってもよい」と判定されています。また「行ってもよい」と判定されているほかの治療法についてもおおむね同じ理由が述べられています。

「C2」と判定された治療法については有効性と安全性が十分に検証されていないと述べられています。ただし、成長因子導入・細胞移植療法は今後の発展が期待できると評価されています。今後の動向次第では推奨度が上がる可能性があります。

なお男性では「A 行うよう強く勧める」とされている5α還元酵素阻害剤(フィナステリドとデュタステリド)の服用ですが、女性では「行ってはいけない」と判定されています。いずれも女性には効果が認められず、胎内男児の女性化などの副作用が懸念されるからです。 (※3)

FAGAの概念が変化している今、医師による診断が治療のカギ!

従来FAGA(女性版AGA)としてとらえられてきた女性の脱毛症が見直されてFPHL(女性型脱毛症)という新しい概念が登場しました。それに合わせてガイドラインも改定されています。そのため現在ネット上などで広く出回っている情報はすでに古びている可能性も。

薄毛や抜け毛の症状を改善するには、最新の動向を把握した専門医の診断を受けることが必要です。ネットやメディアの情報だけで自己判断してしまうのではなく、信頼のおける専門クリニックを受診するようにしましょう。

参考URL

※1)トロント大学皮膚科/杏林大学医学部皮膚科学教室「全身と毛髪・多臓器疾患』
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kyorinmed/49/2/49_163/_pdf/-char/ja
※2)日本皮膚科学会ガイドライン「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版
」 https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/AGA_GL2017.pdf
※3)株式会社資生堂リサーチセンター/徳島大学医学部 皮膚科/徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部 皮膚科学「女性の薄毛とアデノシンによる改善効果」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/sccj/45/1/45_35/_pdf/-char/ja

プロペシア

プロペシアは、AGAの予防・改善に使用される治療薬であり、皮膚科やAGA治療を専門として扱う病院で処方されています。

アロビックス

アロビックス液とは、塗布タイプの脱毛治療薬です。患部に直接塗布することで、毛根の血行をよくして抜け毛を抑制し、発毛を促す効果があるためプロペシアとの併用が効果的といわれています。

アロビックスについて詳しくはこちら

ザガーロ

ザガーロはAGAの原因であるジヒドロテストステロン(DHT)の産生を強力に抑制することで、薄毛や脱毛の治療効果を発揮します。AGA専門クリニックや男性外来を中心とする、国内の医療機関で処方されています。