ザガーロ

【デュタステリドとは】AGAに対する効果や副作用、服用上の注意点を解説!

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AGA治療に用いられるデュタステリド。「ザガーロ」という名称もあり、どう違うのかと混乱する方もいるのではないでしょうか。また、フィナステリドなど他の治療薬との違いも気になるところです。今回はデュタステリドについて、その効果や副作用、服用上の注意点などを解説します。

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デュタステリドとは

デュタステリドとは、AGA(男性型脱毛症)に対し薬効を持つ化合物の名称で、AGA治療薬「ザガーロ(デュタステリドカプセル)」の有効成分です。また、デュタステリドは、前立腺肥大症に対する治療効果も認められ、治療薬「アボルブ」にも用いられています。

「ザガーロ」や「アボルブ」といった商品名に対し、薬効で分類した「一般名」としても「デュタステリド」が用いられています。「ザガーロ」(およびその後発医薬品)や「アボルブ」は添加物や形状などが少し違うだけで、本体は同じ「デュタステリド」という治療薬なのです。 (※1、2、3)

AGAとデュタステリドのメカニズム

まず、AGAが発症する仕組み、そして、その症状に対して、デュタステリドがどのような効果を発揮するのかというメカニズムを見ていきます。

AGAのメカニズム

髪の毛の源は「毛包」と呼ばれる器官です。毛包は「成長期・退行期・休止期」のサイクル(毛周期)を繰り返しますが、いくつかの原因によって成長期が短くなると、薄毛の状態に陥ります。主な原因の1つが、テストステロンという男性ホルモンの働きです。

テストステロンは毛包に達すると、5a還元酵素という分子の働きで、ジヒドロテストステロンに変化します。ジヒドロテストステロンは、髭やすね毛の成長を促進しますが、前頭部や頭頂部では、細胞の成長を抑制してしまうのです。その結果、成長期の短い「ミニチュア化」した毛包を生み出してしまいます。これがAGAの主な原因です。 (※4)

AGAに対するデュタステリドの効果

薄毛になりやすい人は、5a還元酵素の働きが強いという素質を持っています。5a還元酵素にはⅠ型とⅡ型がありますが、デュタステリドはこの両方を阻害するのです。そして、テストステロンがジヒドロテストステロンに変化する割合が減少し、毛周期が是正され、元気な毛包が増加します。

デュタステリドの投薬治療の開始とともに、一時的に抜け毛が増える「初期脱毛」という症状が起こるケースがあります。しかし、言うなれば、これは毛包の成長サイクルが促進されている証拠です。次に生えてくる毛は、より長く成長することが期待できます。「薬が効かない」「逆効果だ」などと早合点してしまわずに、医師と相談しながら、じっくりと経過を見るようにしましょう。 (※5、6)

デュタステリドの副作用

どんな治療薬にも、その作用のうち、ベネフィット(効果)と同時に存在するのがリスク(副作用)です。治験(治療薬の臨床試験)や治療現場で、デュタステリドにも副作用がいくつか見つかっています。主な副作用は男性機能不全と肝機能障害です。

勃起不全・性欲減退・精子数減少

国際共同で行われた治験のフェーズⅡ(比較的軽度の患者を対象に行われる小規模な試験)とフェーズⅢ(実際の利用に即した大規模な試験)において、デュタステリドが投与された患者のうち4.3%に「勃起不全」、3.9%に「リビドー(性衝動)減退」、1.3%に「精液量減少」が見られました。他のAGA治療薬には、こうした男性機能不全の副作用はほとんど見られず、デュタステリド特有の副作用と言えます。 (※2)

肝機能障害・黄疸

重篤な肝機能障害や黄疸が現れる場合がありますが、発生率はまれです。肝機能に問題がある患者が服用した場合、そのリスクが高まります。 (※2)

その他の副作用

発生率が低いものを以下に挙げます。(「頻度不明」=「医師・患者による個別報告や海外の報告例しかないもの」)

発生率1%未満 頻度不明
過敏症 発疹 じんましん、アレルギー反応、そう痒症、限局性浮腫、欠陥浮腫
精神神経系 頭痛、抑うつ気分 浮動性めまい、味覚異常
乳房障害 乳房障害(女性化乳房、乳頭痛、乳房痛、乳房不快感) 精巣痛、精巣腫脹
皮膚 脱毛症(主に体毛)多毛症
消化器 腹部不快感 腹痛、下痢
その他 倦怠感、血中クレアチンホスホキナーゼ増加

(※2)

デュタステリドを服用する際の注意点

次に該当する人はデュタステリドを服用してはいけません。

・重度の肝機能障害のある人
・女性
・小児等、20歳未満の人

(※2)

肝臓に持病がある場合は特に服用注意

デュタステリドは主に肝臓で代謝されます。肝機能が正常であれば、デュタステリドの半減期(体内に入った薬の半分が分解・排出されるまでの時間)は3~5週間程度です。一方、肝機能に問題がある場合、代謝に時間がかかったり、想定外の働きを示したりする可能性があり、重篤な副作用をもたらしかねません。

したがって、肝機能に問題のある患者への投与は、医師による観察を十分に行ってからで、異常が認められた場合には、投与を中止するなどの処置が考えられます。自身の健康状態を把握せずに、個人的に通販などで購入したデュタステリドを服用することは危険です。 (※2)

女性は絶対に服用しない

女性患者に対するデュタステリドの臨床試験は実施されておらず、女性患者が服用した場合の効果と安全性は確かめられていません。

動物実験ではオス胎児の生殖器がメス化するというケースが報告されています。この報告から考えられるのは、妊娠中の女性が服用した場合、胎内の男児に女性化の副作用が及ぶという恐れです。授乳を介した影響は不明ですが、授乳期の服用も避けるべきとされています。

効果と安全性が不明な上に、男児に対する重大な影響が考えられるため、女性はデュタステリドを服用してはいけません。また、デュタステリドは内服しなくても、皮膚を通して吸収されるため、カプセルから漏れた薬剤には触れないようにし、触れてしまった場合はすぐに石鹸と水で洗い流しましょう。 (※1、2)

20歳未満の男性や男児は服用してはいけない

女性と同じく、20歳未満の男性に対しても信頼できる臨床試験は行われておらず、まだ効果と安全性は確立していません。したがって、20歳未満の男性は服用を避けるべきです。

小児についても服用が認可されていません。女性の場合と同じく、薬剤の中身が皮膚に触れただけでも問題を起こす可能性があります。万が一触れてしまった場合は、すぐに石鹸と水で洗い流してください。 (※2)

AGAの治療薬にデュタステリドを検討してみましょう

AGA治療薬「ザガーロ」の主成分であるデュタステリド。ここまでAGA発症のメカニズムをはじめ、デュタステリドの効果や副作用、服用上の注意点をご紹介しました。デュタステリドは、多くの男性が抱えるAGAに対して、その効果が期待されている有効成分です。気になる方は使用を検討してみるとよいでしょう。ただし、服用に際しては、個人だけで判断せず、必ずクリニックなどの医療機関を受診し、専門医師の処方を受けるようにしてください。

参考URL

※1)グラクソ・スミスクライン株式会社、ザガーロカプセル添付文書
https://database.japic.or.jp/pdf/newPINS/00065940.pdf
※2)PMDA、ザガーロカプセル添付文書
http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/249900AM1023_1_05/
※3)泌尿器外科、前立腺肥大症に対する5a還元酵素阻害薬の有用性
https://kanazawa-u.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=14488&item_no=1&attribute_id=26&file_no=1
※4)杏林CCRC研究所、知の拠点整備事業 共催 平成27年度杏林大学公開講演会 報告
http://www.kyorin-u.ac.jp/univ/society/area2/labo/pdf/h27ccrc_69.pdf
※5)PMDA、医薬食品局審査管理課「ザガーロカプセル」審議結果報告書
http://www.pmda.go.jp/drugs/2015/P20151001001/340278000_22700AMX01012_A100_1.pdf
※6)日本皮膚科学会、皮膚科Q&A「男性型脱毛症の治療はどうしますか?」
https://www.dermatol.or.jp/qa/qa11/q05.html