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デュタステリドの効果や副作用、服用の注意点とは?「ザガーロ(デュタステリド)」についても解説

最終更新日:

デュタステリドは、AGA(男性型脱毛症)の進行を抑える有効成分として知られています。DHT(ジヒドロテストステロン)の生成を抑えることで、抜け毛を防ぎ、発毛を促進します。
本記事では、デュタステリドの効果や副作用、服用時の注意点に加え、代表的な薬剤であるザガーロ(デュタステリド)についても詳しく解説します。

【関連リンク】

【ミノキシジルの作用機序】メカニズムや効かない場合の原因・対策
1日1mg上限の用量・用法を守ろう!プロペシアの安全・効果的な飲み方
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この記事の監修者

  • 東邦大学医学部医学科卒業

  • 戸塚共立第一病院

  • 聖マリアンナ医科大学 皮膚科学教室 任期付助教

  • 町屋皮フ科クリニック 院長

  • 所沢中央病院健診クリニック

  • 企業・社会福祉法人 嘱託医

  • 堀之内ハーモニー皮膚科 院長

  • イースト駅前クリニック秋葉原院 院長就任

目次※知りたい情報をクリック

デュタステリドとは?

デュタステリドとは、AGA(男性型脱毛症)の治療薬「ザガーロ」の有効成分の一般名称(和名)を指します。AGAの原因となるのは、「ジヒドロテストステロン(DHT)」という男性ホルモンです。これは「テストステロン」から変換される物質ですが、この変換に関わるのが「II型5αリダクターゼ」という酵素です。デュタステリドは、そのII型5αリダクターゼに対する阻害薬として、DHTの生成を妨げることで、AGAの進行を遅延させる効果を持っています。

デュタステリドとフィナステリドの違い

デュタステリドとフィナステリドはいずれもAGA(男性型脱毛症)の原因となるDHT(ジヒドロテストステロン)の生成を抑える薬ですが、有効成分と作用の範囲に違いがあります。DHTを生み出す酵素「5αリダクターゼ」にはⅠ型とⅡ型の2種類が存在し、デュタステリドはその両方を阻害します。一方、フィナステリドはⅡ型のみを阻害するため、頭頂部よりも前頭部の脱毛にも広く作用するのはデュタステリドの特徴です。両者は作用機序が重複するため、併用は推奨されていません。

(※1)

デュタステリドとミノキシジルの違い

デュタステリドは、5αリダクターゼを阻害することでAGAの原因物質であるDHT(ジヒドロテストステロン)の生成を抑え、抜け毛の進行を防ぎます。一方、ミノキシジルは毛乳頭細胞を刺激し、細胞増殖や成長因子の産生を促進することで、髪の発毛と成長をサポートします。つまり、デュタステリドは「抜け毛を防ぐ作用」、ミノキシジルは「髪を生やす作用」を持ち、異なるアプローチでAGA改善を目指す治療薬です。

(※1)

デュタステリドを有効成分として含む男性型脱毛症治療薬「ザガーロ」とは?

デュタステリドの成分を配合した薬で代表的なのが「ザガーロ」です。イギリスの大手製薬会社GSK(グラクソ・スミスクライン)が提供する「アボルブ」(前立腺肥大症の治療薬)の「ドラッグ・リポジショニング(既存薬の再開発)」として開発されました。当初は、前立腺肥大の治療薬として開発されましたが、治療の過程で、薄毛や抜け毛に対する改善の効果が判明し、GSKが2001年にAGA治療薬として販売。日本では、2015年にAGA治療薬としての承認を受け、2016年6月より販売が開始されました。

(※1)

ザガーロの種類や服用方法

日本国内で販売されているデュタステリド製剤には、先発医薬品であるザガーロと、後発医薬品にあたるザガーロジェネリックの2種類があります。両者はいずれも同じ有効成分を含み、AGA(男性型脱毛症)の進行を抑える効果が期待できます。
ザガーロジェネリックは2020年から国内製薬会社各社により販売が開始され、費用を抑えて治療を継続したい患者様にも選ばれています。服用は1日1回1カプセルを目安とし、食事の影響を受けにくいため好きな時間に服用可能です。ただし、24時間のサイクルを保つため、毎日同じ時間帯に服用するのが望ましいとされています。飲み忘れた場合でも、1日に2錠以上をまとめて服用することは避けましょう。

(※2)

ザガーロとアボルブの違い

薬剤名 アボルブ ザガーロ(デュタステリド)
主成分 デュタステリド デュタステリド
作用 Ⅰ型・Ⅱ型5α-還元酵素の働きを阻止する Ⅰ型・Ⅱ型5α-還元酵素の働きを阻止する
効果 前立腺肥大症の改善 AGA(男性型脱毛症)の改善
規格 0.5mg 0.1mg/0.5mg
ジェネリック医薬品(後発医薬品)の名称 デュタステリドAV デュタステリドZA

ザガーロとアボルブはいずれも同じデュタステリドを有効成分とする薬ですが、承認された用途が異なります。アボルブはザガーロよりも早く承認された前立腺肥大症の治療薬で、同じ製薬メーカーによって製造・販売されています。一方、ザガーロはAGA(男性型脱毛症)の治療薬として承認されており、男性ホルモンの一種であるDHT(ジヒドロテストステロン)を生成する酵素「5αリダクターゼ」を阻害し、ヘアサイクルの乱れを整えることで抜け毛を減らします。両薬剤は成分上は同一ですが、適応疾患や保険適用の有無が異なるため、医療機関では目的に応じて名称が区別されています。

デュタステリドの主な効果・効能

デュタステリドには、どのような効果や効能があるのでしょうか。これまで日本国内では、フィナステリド(商品名:プロペシア)がAGA治療薬として一般的に広く使われてきましたが、新たなAGA治療薬でもあるデュタステリド(商品名:ザガーロ)にはどのような特徴があるのか解説します。

「男性型脱毛症」に効果を発揮

AGAの原因となる男性ホルモンの一種である「テストステロン」がI型・II型の「5αリダクターゼ」*という還元酵素と結合すると、薄毛や脱毛の要因となる「ジヒドロテストステロン(DHT)」に変換されます。デュタステリドには、この変換酵素を抑制する効果があります。また、デュタステリドには、血清中や頭皮中のDHTの濃度を低下させる作用があると言われています。

従来のAGA内服薬よりも優れた効果が期待

2017年に日本皮膚科学会が発行した「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン」においては、AGA内服薬として「フィナステリド(商品名:プロペシア)」が推奨されています。しかし、フィナステリドにはII型の5αリダクターゼ(還元酵素)に対する作用しかありません。I型・II型両方のリダクターゼに作用するデュタステリド(商品名:ザガーロカプセル)には、これまでの発毛効果を上回る期待がされています。

デュタステリドの正しい服用方法

治療薬は、単に多く服用すればいいというわけではありません。用法用量を守って、継続的に服用することが重要です。デュタステリド(商品名:ザガーロカプセル)に関しては、下記の内容を守り、正しく服用するようにしましょう。

  • 1回(0.1mg)を、1日1回経口投与するようにしましょう。
  • 必要に応じて、0.5mgを1日1回経口投与することも可能です。
  • 服用時は、水またはぬるま湯で飲むようにしましょう。
  • 食前・食後での服用等の条件は特にありません。
  • カプセルの内容物が、口腔咽頭粘膜を刺激する場合があるため、カプセルを噛んだり、開けたりはせずに、服用しましょう。
  • 服用開始後12週間で改善が認められる場合もありますが、治療効果を評価するためには、通常6ヵ月間が必要となります。
  • 6ヵ月以上服用しても改善が見られない場合は、服用を中止するか、または服用する場合であっても、定期的に効果を確認したり、必要性について検討したりするなど、医師との相談の上で処方するようにしましょう。

デュタステリドの副作用

デュタステリドは男性型脱毛症の治療薬として処方されていますが、服用したことによる副作用も一定数報告されています。また、全ての人に対して処方できる薬ではありません。

主な副作用

デュタステリド(商品名:ザガーロカプセル)の副作用は下記の通りになります。

(※1)

  • 肝機能障害(体がだるい、吐き気、食欲不振、かゆみ等)
  • 黄疸(白目が黄色くなる、皮膚が黄色くなる、尿が褐色になる)
  • 勃起不全
  • リビドー減退(性的欲求の減退)
  • 精液量減少
  • 射精障害
  • 発疹
  • 頭痛や抑うつ気分
  • 蕁麻疹・アレルギー(頻度不明)
  • 腹痛や下痢

初期脱毛が起こることもある

ザガーロ(デュタステリド)を服用すると、初期脱毛と呼ばれる一時的な抜け毛が見られることがあります。これはAGA治療薬の効果があらわれ始めているサインとされ、古い毛が抜け落ちて新しい毛が生え変わる過程で起こる現象です。発現時期には個人差がありますが、早い人では服用開始から10日ほど、一般的には約1〜3カ月の間に見られます。必ず起こるものではなく、一時的なものですので、慌てず医師と相談しながら経過を観察することが大切です。この期間は頭皮環境を清潔に保ち、過度に髪を触らないよう注意しましょう。自己判断で服用を中止すると十分な効果が得られない場合があるため、医師の指示に従って継続することが重要です。

(※3)

デュタステリドを服用する上での注意点

男性型脱毛症に対する効果を期待される一方で、まだ販売期間も浅い治療薬です。正しい効果を得るために、正しい知識をもって服用しましょう。

海外製のコピー版ジェネリック薬品に要注意

インターネットなどでは、海外製のジェネリック薬のコピー版が発売されていますが、現在国内ではそれらの治療薬は全て厚生労働省の未認可薬になります。男性型脱毛症に悩まれている方は、偽物などに手を出すのではなく、国内の病院が処方する治療薬を服用するようにしましょう。

カプセル内の薬剤には触れないようにしましょう

ザガーロカプセルは経皮吸収の恐れがあることから、カプセルから漏れた薬剤には触れないように気を付けましょう。触れてしまった場合は、直ちに石鹸と水で洗うようにしてください。

(※1)

服用は医師と相談した上で判断しましょう

前立腺がんの検査を行う際に、PSA(血清前立腺特異抗原)の数値に影響を与える可能性があるため、服用の有無を医師に知らせるようにしましょう。

(※1)

服用してはいけない人がいる

デュタステリド(商品名:ザガーロカプセル)を服用してはいけない人は下記の通りになります。

(※1)

  • アボルブの成分及び他の5α還元酵素阻害薬に対して過敏症の既往歴のある患者
  • 女性(妊婦・産婦・授乳婦等への投与も含む)
  • 小児等(小児等への適応はなく、安全性及び有効性は確立されていない)
  • 未成年(AGAに困っている場合でも、ザガーロを処方する対象となるのは20歳以上の男性に限る)
  • 重度の肝機能障害のある患者(ザガーロは主に肝臓で代謝されるため、血中濃度の上昇を招く恐れがある

前立腺癌の腫瘍マーカーを低下させる危険性がある

デュタステリドは、前立腺癌の腫瘍マーカーであるPSA(前立腺特異抗原)の値を低下させる作用があります。PSAは前立腺癌の早期発見や経過観察において重要な指標であるため、数値が下がることで癌の存在を見逃し、発見や治療の遅れにつながる恐れがあります。デュタステリドを服用中の患者様は、検査時に医師へ服用状況を必ず伝えてください。

(※2)

デュタステリド(ザガーロ)の気になるQ&A

デュタステリドの服用で皮脂が減る?

デュタステリドの服用によって皮脂の分泌が減少する可能性があるといわれていますが、医学的に明確に解明されているわけではありません。デュタステリドは男性ホルモンに関連する作用を持つため、皮脂分泌量に影響を及ぼすことがあります。皮脂の増減は頭皮環境に大きく関わるため、乾燥やベタつきが気になる場合は、シャンプーの見直しや保湿ケアなど、適切な頭皮ケアを行いましょう。

ザガーロの使用は子どもに悪影響?

ザガーロ(デュタステリド)は女性の使用が禁忌とされており、特に妊娠中の女性が服用すると、男性胎児の生殖器官の発達に影響を及ぼす可能性があります。また、カプセルが破損した場合、皮膚から有効成分が吸収されるおそれがあるため、直接触れることも避けなければなりません。妊活の時期や妊娠中の女性と同居している場合は、誤って触れないよう保管場所にも十分注意してください。

ザガーロを使いつづけると耐性がつく?

ザガーロ(デュタステリド)を長期間使用しても、薬に対して耐性がつくことはありません。一般的に、ステロイド薬や抗生物質などは不適切な使用により耐性が生じることがありますが、ザガーロはホルモンの働きに作用するAGA治療薬であり、そのような性質はありません。

デュタステリドは用法・用量を守って正しく処方すること

ここまで、デュタステリドの副作用や効果、注意点を含めた正しい服用方法を解説しました。デュタステリドには、副作用が出る場合があり、また服用してはいけない人も決められています。十分な効果を得るためにも、注意点を確認し、用法・用量は必ず守りましょう。

イースト駅前クリニックでは、診察料は初診・再診ともに0円、全国40院以上を展開し駅から徒歩3分以内と通いやすさも抜群です。国内正規薬を取り扱い、オンライン診療にも対応。400万人以上の診察実績がある信頼のクリニックで、薄毛の悩みを医師に相談してみませんか?

参考記事

※1)Dクリニック「はじめてのAGA治療」
(https://www.d-clinicgroup.jp/clinic/aga/beginner/)
※2)KEGG「ザガーロ」
(https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00065940)
※3)Dクリニック「ザガーロカプセル(デュタステリド)とは?~効果や副作用について~」
(https://www.d-clinicgroup.jp/clinic/column/zagallo/)

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