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プロペシアの初期脱毛とは?仕組みや期間、回復策を徹底解説

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プロペシアとはAGA(男性型脱毛症)の治療薬の一種です。AGA患者に広く用いられているプロペシアですが、中には治療開始時に症状が一時的に悪化する「初期脱毛」が見られることもあります。そこで今回は、プロペシアの初期脱毛について原因や期間、回復策を詳しく解説します。

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プロペシアの初期脱毛とは

プロペシアの初期脱毛とは、プロペシアによるAGA治療を開始して1~3カ月ほどの期間、一時的に抜け毛が増えて薄毛症状が悪化したように見える副作用の一種です。

そもそもプロペシアとは

プロペシアは、「Ⅱ型5α-還元酵素」の働きを抑制する作用を持つ薬剤です。AGAは「ジヒドロステロン」と呼ばれる男性ホルモンの一種が過剰に産生されることによって引き起こされることがわかっています。ジヒドロテストステロンはテストステロンが5α-還元酵素による還元によって生成されるため、この酵素の働きを抑制することで「ジヒドロテストステロン」の産生量自体を抑制し、結果として抜け毛を予防してAGAの症状を改善させる効果が期待できるのです。

日本皮膚科学会による「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン」によれば、プロペシアの内服治療を2年間続けた方は68%、3年間続けた方は78%で効果を実感。症状の変化には個人差があるものの、治療効果は高いと考えられます。

プロペシアは、AGAに対する世界初の飲み薬であり、これまで世界各国で用いられてきました。元々は前立腺肥大症に対する治療薬として用いられてきましたが、AGAに対しても上で述べたような高い効果があることがわかっています。日本では2015年から安価なジェネリックも販売されていますが、どちらも入手するには医師の処方箋が必要なため、病院を受診しなければなりません。 (※1、2)

プロペシアの初期脱毛の原因と期間

では、プロペシアがAGAはどのように改善する過程で、初期脱毛を生じさせてしまう原因は、どのような点にあるのでしょうか?そこには、頭髪の生まれ変わりであるヘアサイクルが深く関与しています。

初期脱毛と深く関係するヘアサイクルとは

頭髪には、生え始めてから成長し、やがて抜け落ちるまでの一定のサイクルがあり、一般的には「ヘアサイクル」と呼ばれています。

ヘアサイクルには3つのステージがあり、頭髪全体の90%を占めるのが「成長期」です。成長期の頭髪は毛根に存在する髪の毛の元となる細胞=毛母細胞が活発に細胞分裂を繰り返して増殖する時期で、生え始めた頭髪がどんどん太く長くなります。成長期は3~5年ほど続くと、徐々に毛母細胞の働きが衰えて頭髪の成長スピードが遅くなる「退行期」に突入します。退行期は2~3週間ほどで、毛母細胞の働きがストップして頭髪が抜け落ちる「休止期」に移行します。休止期は2~3か月ほどの期間続きますが、頭髪が抜け落ちた部位の毛母細胞は次の成長期に突入するための準備を行っています。

初期脱毛で考えられる原因

AGAはジヒドロテストステロンの働きによって、ヘアサイクルにおける成長期が極端に短くなり、引き起こされると考えられています。成長期が短くなった頭髪は、細く短いうえにコシがない、いわゆる産毛のような状態になってしまうのです。

プロペシアはジヒドロテストステロンの産生量を抑えるため、成長期を元の状態に戻す働きがあります。しかし、すでに成長期が短縮して産毛のような脆弱な頭髪が生えた部位はその頭髪自体を太く、長くすることはできずに抜け落ちて休止期に入り、次の成長期に備えます。

このため、プロペシアの内服を開始すると一時的に産毛が抜け落ちて頭髪が薄くなったように見えることがあるのです。

プロペシアの初期脱毛はいつまで続くのか

プロペシアによる初期脱毛が続く期間には個人差がありますが、おおむね1~3か月ほど続くことが多いです。

というのも、プロペシアの使用開始によって抜け落ちた頭髪は「休止期」に突入するため、そこから新たな頭髪が生えるまでには1~3か月を要するからです。一般的には、治療を開始した時の症状が強いほど初期脱毛は長く続くと考えられています。

プロペシアの初期脱毛からの回復策

プロペシアの初期脱毛は、ある程度は避けることができないものです。しかし、せっかく治療を開始したのに脱毛が目立ってしまうようでは、治療を続ける意味が見いだせずに途中で治療をやめてしまう人も少なくありません。初期脱毛が気になる場合は、次のような回復策を講じましょう。

専門医に相談

AGAは皮膚科や美容外科などで治療することができます。また、最近ではAGA専門のクリニックも増えており、より専門的な治療を受けることもできるようになりました。プロペシアは医師の処方がなければ入手することはできません。初期脱毛が気になる場合はできるだけ早めに、AGA治療の豊富なノウハウを持つ医師に相談して治療方法の変更なども含めて話し合うようにしましょう。

他の原因を考える

AGAはジヒドロテストステロンの作用によって引き起こされることがわかっていますが、原因はその一点のみではなく、頭皮の状態や栄養不足なども大きく関与しています。

特に、頭皮の血行が悪くなることで毛母細胞に十分な栄養と酸素が行き渡らないことが原因となることが多いです。日頃から身体の冷えやコリに注意してゆっくり湯船につかる時間や運動習慣を持つなど、全身の血行を改善する対策を行うことが大切です。

その他にも、喫煙や過度な飲酒など血行を悪化させる生活習慣は禁物です。また、髪の育成に必要なたんぱく質やビタミン、ミネラルなどの栄養不足も原因の一つとなりますので、バランスよい食生活を心がけましょう。

初期脱毛の他にも注意すべきプロペシアの副作用

・性欲減退
・勃起障害
・不妊症
・肝機能障害
・胃腸障害

プロペシアの副作用で注意すべきなのは、性機能の異常です。プロペシアを服用した人の1%が性欲減退を自覚し、勃起障害、精子量の減少や射精障害による生殖能力の低下などが引き起こされます。このため、パートナーの妊娠を希望するものの不妊症が疑われる場合には、一時的に服用を中止して別の治療法に換えるなどの対策が必要です。

また、まれに肝機能障害や下痢、便秘などの胃腸障害を引き起こすことがあります。これらの症状が見られる場合にはできるだけ早く医師や薬剤師に相談して適切な対処を行うようにしましょう。 (※1)

プロペシアによる初期脱毛は過度な心配は無用、不安な場合は医師へ相談

プロペシアは世界初のAGAに対する飲み薬です。これまでの研究によって治療効果が実証されており、多くの人がプロペシアによって辛いAGAの症状改善を実感しています。

しかし、プロペシアは副作用が現れることもあり、中には初期脱毛に悩まされることもあります。初期脱毛は3か月もすれば自然に改善していくため過度な心配は必要ありませんが、中には別の原因が潜んでいる可能性もありますので、生活習慣改善も含めた対策を行っていきましょう。

プロペシアを入手するには医師の処方が必要です。そのため、初期脱毛が気になる場合はひどくなる前に専門のクリニックを受診して適切な治療を生活習慣改善のための指導を受けるようにしましょう。

参考URL

※1)プロペシア添付文書
https://www.msdconnect.jp/static/mcijapan/images/pi_propecia_tab.pdf
※2) 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版
https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/AGA_GL2017.pdf