ED外来

EDの症状とは?

EDの症状とは?
治療方法や症状、気にすべき命に関わる問題について

ED(Erectile Dysfunction:勃起障害)の患者数は国内で約1,130万人、40歳以上の男性3人に1人が該当するといわれています。治療方法は一般的に薬剤が中心ですが、薬剤が使用できない方には勃起補助具や衝撃波治療など、さまざまです。そこで、EDの主な症状と原因を確認し、ご自身にあった治療法は何かを考えてみましょう。(※1)

EDの症状とは?治療方法や症状、気にすべき命に関わる問題について

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1. EDとは?

ED(Erectile Dysfunction:勃起障害)とは、「満足な性行為を行うのに十分な勃起が得られないか、または維持できない状態が持続または再発すること」(ED診察ガイドライン)を指します。国内のED患者数は約1,130万人、40歳以上の男性3人に1人が該当しますが、意外にも治療を受けている方が少ないのが現状です。症状には「勃起の硬さが弱くなった」から「短時間で萎えてしまう」、「一度萎えると再勃起が難しい」、そして「全く勃起しない」まで、さまざまなレベルがあります。(※1、2)

2. EDの症状にはどんなものがある?

EDの症状にはどんなものがある?

EDと一言でいっても、いろいろな症状のレベルがあります。完全に勃起できない状態から、勃起に時間がかかる、途中で萎えてしまうなど人それぞれです。そこで、正常な勃起のメカニズムを確認し、どんな問題が起こることで症状がでるのか具体的にみてみましょう。

2-1. 正常な勃起のメカニズム

正常な場合、性的な刺激を受けた脳が神経を介して陰茎に指示を伝達、それを受けた陰茎海綿体(いんけいかいめんたい)の動脈が拡がり、血流が増えることで勃起します。したがって性的刺激がうまく陰茎に伝わらない場合や、陰茎に十分な量の血液が流れ込まない場合に満足な勃起が起こらず、不十分で終わってしまうという症状があらわれます。(※3)

2-2. EDの具体的な症状

EDの具体的な症状には、さまざまな状態があります。重度の症状とは、性欲があり興奮しても全く勃起しない状態です。軽度から中度の症状としては、勃起はするが十分に硬くならない、挿入できても勃起が維持できないなどの症状があります。

3. EDの原因3つ

EDの原因3つ

ED(勃起不全)は、陰茎海綿体へ血液が十分に流れないということが直接の原因です。では、なぜ十分な血流が確保できない状態に陥ってしまうのか。主に3つの原因があるとされています。

3-1. 心理的なストレス(心因性)

20代から40代の若い層に多くみられる原因で、大きく2つに分かれます。1つは、過労や睡眠不足など、現実の日常生活で受ける心や身体のストレスが原因となる「現実心因」。もう1つは、心の深い部分にある、憎しみや妬み、幼児期の体験やトラウマなど過去の出来事などが原因となる「深層心因」です。(※4)

3-2. 血管や神経の障害(器質性)

高血圧や糖尿病など、身体的原因により起こるEDで、大きく5つの要因が考えられます。(※5)

原因 内容
加齢 年齢とともに血管や神経の障害は避けることはできません。加齢によって、高血圧や糖尿病を患う方が多くなるため、EDの症状がでてくるとされています。
生活習慣病 日常生活のストレスや不規則な食事、運動不足や喫煙などを誘因とする、糖尿病・高血圧・脂質異常などの生活習慣病がEDを引き起こしやすくします。
神経系の障害 正常な勃起は、脳が陰茎へ神経を伝って指示を伝達することで起きます。しかし、脳出血や脳腫瘍、アルツハイマー病などの疾患が自律神経障害を引き起こし、脳からの信号がうまく伝わらなくなるとEDを発症します。
手術や外傷 手術による原因としては、前立腺がんの摘出、直腸がんの切除、骨盤内臓器の摘出などの手術により、陰茎海綿体の血管や神経を損傷することでEDを発症することがあります。また、交通事故による骨盤骨折や脊椎損傷などもEDの原因となります。
その他 前立腺肥大症、前立腺炎、精巣静脈瘤などの泌尿器系の疾患を原因とするEDです。生まれつきの病気によって陰茎の形状が性交に適さない場合なども含みます。

3-3. ある特定の薬剤の服用(薬剤性)

他の病気治療のために服用している、次のような薬剤がEDの原因となる場合もあります。解熱や消炎鎮痛剤、抗うつ薬など「中枢神経に作用する薬剤」。鎮けい薬(胃けいれんなど平滑筋のけいれんを抑制する薬物)など「末梢神経に作用する薬剤」。不整脈治療薬など循環器系に作用する薬剤、消化性潰瘍治療薬など「消化管に作用する薬剤」がありあります。(※6)

4. EDの治療方法

EDの治療方法

一般的なEDの診断や治療方法は、まず問診票の記入を行い、心臓などの疾患がないことを確認のうえ、内服薬での治療が中心です。内服薬が服用できるかできないか、有用性が認められない場合には、勃起補助具や陰茎への注射といった治療へと進みます。

4-1. 薬剤による治療

薬剤によるED治療の有効性は80%以上と非常に高いのが特徴です。ED治療薬は身体の血流を改善し、陰茎に血液を集めやすくするのが目的です。「麻薬と同じで、一度飲んだら飲まないといられなくなる」といった一部の誤った情報には、振り回されないように注意しましょう。脳に働く薬ではなく、身体的な依存性もありません。現在、医療機関で用いられる3種類の薬剤については以下の通りです。

薬剤名 効果の持続時間 注意点 その他
バイアグラ 5時間程度 全身や顔の火照り、軽い頭痛など副作用の可能性あり 似せた成分の偽造品や模造品があるので注意が必要
レビトラ 10mgで5時間程度
20mgで7〜10時間程度
同上 水に溶けやすく食事の影響を受けにくいなどの特徴がある
シアリス 10mgで最大24時間
20mgで30〜36時間
同上 持続時間が最大36時間と長いのが最大の特徴

いずれも別の疾患で常用薬がある場合や既往歴のあるときなど、ED治療薬が使用できない場合があります。必ず医師に詳しく状況説明をして相談するようにしてください。

4-2. 薬剤以外の治療方法

何らかの理由でED治療薬が使用できない場合や、薬剤による副作用を心配するときには、医師指導のもと下記のような治療法を選択することもできます。(※7、8)

名称 内容
ICI治療(陰茎海綿体注射)
※当院では行っておりません
薬剤を直接陰茎海綿体に注射し、強制的に勃起させる方法。ただし、日本国内では厚労省に承認されていない治療法なので、基本的に自己責任となります。
陰圧式勃起補助具
※当院では取り扱っておりません
陰茎をシリンダーに入れ陰圧をかけて血液を吸引、陰茎基部にゴムバンドを巻いて血液を滞留させ、疑似的な勃起状態を起こすもの。
RENOVA(レノーヴァ) イスラエルの医療機器メーカーが開発した、勃起障害を改善する衝撃波治療。ED治療薬が使用できず、副作用が心配な人におすすめの治療法です。
心理的療法 心因性EDで非常に強い不安やトラウマなど、治療薬での効果がでない場合に行う、カウンセリングなど心理学的な方法による治療

4-3. 生活習慣の見直し

EDの原因に深く関わるのが生活習慣です。「血糖値が高い」「血圧が高め」といわれた方、「肥満・運動不足」と感じている方は注意が必要です。見直すべき代表的な習慣は次の3つです。(※9)

見直すべき習慣 内容
食生活と食べ物 見直すべき食習慣は、高カロリー食・高食塩食・高脂肪食の3つ。高血圧、糖尿病、動脈硬化の原因となります。EDに効果的な食べ物は、男性ホルモンのテストステロンの減少を防ぐアーモンドやゴマ、豚レバーなど亜鉛を多く含む食品です。
飲酒と喫煙 過度な飲酒は脳の機能を麻痺させ、正常な勃起メカニズムを阻害することがあります。喫煙は血管内皮障害を引き起こし、動脈硬化へとつながります。
筋トレや運動 運動による血行不良の改善は、陰茎海綿体への血流を確保し正常な勃起へとつながります。運動にはテストステロンの分泌を促す効果もあり、適度の筋トレと運動がEDの予防と改善に期待できます。

5. EDは命に関わる病の前兆?

EDの症状があらわれるということは、全身の血管に障害が起き、劣化が進んでいる可能性もあります。脳に血管の障害が起こると脳梗塞、心臓に起こると狭心症を発症することになります。「もう歳だからEDになっても仕方ない」と諦めると、命に関わる病に陥るかもしれません。EDに気づいたときが、脳梗塞や狭心症の可能性を未然に防げるサインだと認識し、早急に専門の医師に相談するなど対策を練りましょう。(※10)

6. EDは自己判断せず、医師に相談しよう

ED治療の主流は薬剤服用ですが、通販で薬剤を入手し、自己判断で使用することは禁物です。原因によって治療方法が変わってくることを忘れてはいけません。必ず専門医の診察を受け、医師の指導のもとで、あなたに相応しい治療方法を選択しましょう。

参考URL

※1)一般社団法人日本臨床内科医会「ED(勃起障害)Q&A」(2ページ)
http://www.japha.jp/doc/byoki/023.pdf

※2)日本性機能学会/日本泌尿器科学会「ED診療ガイドライン[第3版]」(5ページ)
http://www.urol.or.jp/info/guideline/data/26_ed_v3.pdf

※3)バイエル薬品「EDの原因とタイプ」
https://ed-netclinic.com/about_ed/type/

※4)バイエル薬品「心因性ED」
https://ed-netclinic.com/about_ed/type/organic.php

※5)バイエル薬品「器質性ED」
https://ed-netclinic.com/about_ed/type/psychogenesis.php

※6)バイエル薬品「薬剤性ED」
https://ed-netclinic.com/about_ed/type/drug.php#title-link-block

※7)公益財団法人日本医療機能評価機構「ED診療ガイドライン 2012年版」
https://minds.jcqhc.or.jp/n/med/4/med0131/G0000436/0048

※8)バイエル薬品「生活習慣とED」
https://ed-netclinic.com/about_ed/lifestyle.php

※9)FNN.jpプライムオンライン「4人に1人が抱える「ED」 放置すると、命を落とす事態も!」
https://www.fnn.jp/posts/00368090HDK

この記事の監修者

三田 浩一の写真
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三田 浩一

イースト駅前クリニック 神戸三宮院 院長


1989年09月 鳥取大学医学部卒業、1991年05月 大阪市立大学医学部附属病院 第二内科(代謝内分泌病態内科学)入局、2008年10月 医療法人厚生会、2015年05月 イースト駅前クリニック名古屋院、2016年03月 イースト駅前クリニック神戸三宮院 院長就任

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EDについてのよくあるお問合せ

  • ED治療薬を飲むとずっと勃起した状態なのですか?

    ED治療薬の効果発現は、刺激があると勃起して刺激がなければ普通の状態のままでいることです。ずっと勃起したままの状態にはなりませんのでご安心ください。
    ED治療薬の特徴は自然な勃起状態になることです。
  • いろいろ薬を飲んでいますがED治療薬は飲めますか?

    ニトログリセリン(心臓の薬)との併用はできません。
    ED治療薬を服用希望であれば、先ずは服用中の薬を持参して医師にご相談ください。また、併用禁忌の薬に関してはこちらをご参照ください。
  • バイアグラ、レビトラ、シアリスの違いってなんですか?

    持続時間、有効成分、食事によって効果の出現が左右されるかなどの違いがあります。
    詳細はこちらをご参照ください。

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