EDコラム

EDのリスクを高める下部尿路症状

下部尿路症状は、EDと深い関係がある病気のひとつです。その関係性は、さまざまな調査によって明らかにされています。その中のひとつに、下部尿路症状がEDのリスクを高めるという報告があります。また、ED治療薬によって下部尿路症状が改善されるともいわれています。
ここでは、EDと下部尿路症状の関係や、ED治療薬による下部尿路症状の改善についてご紹介します。

下部尿路症状とは?

2_toilet-100783_1920下部尿路症状は、排尿や蓄尿に関係する症状を広く意味する言葉です。高齢者の発症率が高く、60歳以上の男性の約80%が下部尿路症状の自覚症状があるとされています。

下部尿路症状は、蓄尿症状、排尿症状、排尿後症状の3つに分類されます。蓄尿症状は蓄尿相にみられる症状で、昼間頻尿や夜間頻尿、尿意切迫感、尿失禁などが含まれます。排尿症状は排尿相にみられる症状で、尿勢低下や尿腺分割、尿腺散乱、排尿遅延などが含まれます。排尿後症状は排尿直後にみられる症状で、残尿感や排尿後尿滴下などが含まれます。

下部尿路症状の主な原因は前立腺肥大症であり、その他には過活動膀胱や尿路感染症、前立腺がん、膀胱がんなどによっても引き起こされます。

下部尿路症状とEDの共通因子

下部尿路症状とEDには、発症年齢や頻度など共通点が多く、また多くの共通する危険因子がみられます。このことから、下部尿路症状とEDにはなんらかの相関関係があると考えられてきました。
下部尿路症状とEDとの共通因子には、以下のようなものがあります。

・加齢

・動脈硬化

・交感神経系の緊張

・高血圧

・骨盤臓器の虚血(高脂血症)

・NO/Rho伝達経路不均衡

・血管内皮細胞障害

・LOH症候群(男性更年期障害)

・睡眠障害

・うつ病

・神経障害

・DM

・慢性腎臓病

こうした共通因子があることから、下部尿路症状とEDとの関係性に関してはさまざまな調査が行われました。その結果、欧米7カ国での調査において下部尿路症状とEDの重症度には相関関係があることが判明しました。下部尿路症状がEDを引き起こすリスクは、糖尿病の2倍だとされています。また、下部尿路症状はEDのリスク増大に寄与する独立した予測因子であるこということも明らかとなっています。

ED治療薬で下部尿路症状が改善できる?

3_cure-661612_1920下部尿路症状は、EDを引き起こす原因のひとつでもあります。下部尿路症状によって泌尿器科領域の神経障害や血管機能障害などが引き起こされ、これによってEDが発症すると考えられています。下部尿路症状によって発症したEDであっても、ED治療薬によって症状は改善されます。裏を返せば、ED治療薬によってEDが改善されるだけでなく、原因である下部尿路症状も改善されるといえます。

現在日本で認可されている3種類のED治療薬は、すべてPDE-5阻害薬という種類の薬です。PDE-5には、平滑筋を弛緩させて男性器の血流を増加させる環状グアノシン一リン酸を分解する作用があります。PDE-5阻害薬はPDE-5の働きを阻害することで正常な勃起を促し、EDを改善します。

このPDE-5は男性器の海綿体に多く存在している他、膀胱にも分布しています。そのため、ED治療薬を服用すると膀胱に存在するPDE-5の働きも阻害することになり、膀胱の平滑筋が弛緩することで下部尿路症状が改善されるのです。