プロペシア

プロペシアは前立腺にどんな効果が?予防効果や発見への影響について

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プロペシア(フィナステリド)は、AGAの内服治療薬である一方、前立腺肥大症や前立腺癌の予防効果があるとされています。しかし、プロペシアの服用により病気の発見に影響を与えることも警鐘されています。そこで、プロペシアが前立腺に与える効果と注意点について詳しく解説します。

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プロペシアは前立腺肥大や前立腺癌を予防する?

プロペシアはAGA(男性型脱毛症)の治療に用いられる内服薬の一種です。プロペシアはAGAの原因でもある、男性ホルモンの一種「ジヒドロテストステロン」の産生を抑制する作用を持ちます。そのため、プロペシアの服用を続けると、ジヒドロテストステロンの毛母細胞への作用を低減させ、正常な毛髪の育成を導き、AGAの症状を改善することが可能となるのです。

また、頭髪の毛母細胞と同じく、ジヒドロテストステロンの働きを受ける前立腺も細胞の異常増殖を促して容積を増大させることがわかっています。そこで、海外ではプロペシアに含まれる有効成分が、前立腺肥大症や前立腺癌の治療薬として使用されています。 (※1)

プロペシアはなぜ前立腺肥大や前立腺癌を予防するのか

プロペシアの有効成分はどのように前立腺の病気に関与しているのでしょうか?前立腺にはジヒドロテストステロンと結合する受容体が多く存在し、これらが結合して刺激を与えることで前立腺肥大症や前立腺癌の発症を促します。このため、プロペシアの作用によってジヒドロテストステロンの産生が抑えられ、前立腺肥大や前立腺癌の発症を予防したり、進行を抑制したりすることができるのです。 (※2)

そもそもプロペシアとは?前立腺の治療には使わない?AGA治療薬としての役目

プロペシアの有効成分は「フィナステリド」と呼ばれ、AGAの発症原因であるジヒドロテストステロンの産生を促す5α-還元酵素の働きを阻害する作用を持ちます。内服を続けることで、ジヒドロテストステロンの産生量が低下し、結果としてAGAの症状改善効果を期待できるのです。

治療効果はこれまでの様々な研究によって実証されており、内服を2年間続けた人の68%、3年間続けた人の78%が増毛効果を実感しているとされています。また、治療開始年齢が若く、重症度が低い場合の方が高い治療効果を得られるとの報告もされています。AGAを発症した場合のプロペシア服用は、できるだけ早い段階で開始することが望ましいと考えられています。 (※3)

プロペシアの開発の歴史

プロペシアに含まれる有効成分フィナステリドは、本来前立腺肥大症の治療薬として研究・開発が勧められてきました。1992年にはアメリカで前立腺肥大症の治療薬「プロスカ―」として販売されましたが、その後プロスカ―の低用量内服を続けることでAGAの症状を改善することがわかりました。

そして、日本では2005年に低用量のフィナステリドを含むプロペシアがAGAの治療薬として認証。現在ではプロペシアだけでなくジェネリックも含めて世界中でフィナステリドの低用量使用によるAGA治療が行われています。

プロペシアの服用による前立腺癌の発見への影響

日本において、プロペシアなどのフィナステリドを含む薬剤は、AGA治療のみに使用されていますが、海外では前立腺肥大症や前立腺癌の治療薬として用いられています。

一方で、プロペシアは前立腺癌の早期発見に有用とされている腫瘍マーカー「PSA」の数値を約50%低下させることがわかっています。そのため、プロペシアの服用は前立腺癌の発見を遅らせるとの注意喚起がなされています。

「PSA」は前立腺で生成され、精液中に分泌されるたんぱく質です。通常、血液中にはごく微量しか存在していませんが、前立腺肥大症や前立腺癌、前立腺炎など前立腺の組織にダメージが加わる病気を発症すると血液中に漏れ出るようになります。前立腺の病気は、その血液濃度を調べることで、有無をスクリーニングすることが可能なのです。

前立腺癌は目立った症状が現れにくいことも多く、血液検査で前立腺癌の早期発見を可能にする「PSA」検査は自治体が行う前立腺癌検診などでも広く取り入れられています。 (※4)

プロペシアを服用により前立腺癌を見落とさない方法

プロペシアを服用している方は、ご紹介したように癌検診などで前立腺癌の早期発見を妨げる可能性があることが警鐘されています。

また、プロペシアの作用によるPSA値低下の程度は個人差が大きいため、前立腺癌をスクリーニングする目的でPSA値の測定を行う場合は、3か月以上服用を中止した後に行うのが望ましいとされています。しかし、検査のためにプロペシアの服用を長期間中断することでAGAの治療効果が薄れる可能性も考えられます。事前に医師にプロペシア服用中である旨を申告しましょう。 (※5)

前立腺の病気が気になる場合は、事前の相談が必須

プロペシアはジヒドロテストステロンの産生を抑制することで、高いAGA治療効果を期待できる内服薬です。その効果は頭髪だけにとどまらず、前立腺の細胞に作用して前立腺肥大症や前立腺癌などを発症、進行を抑えることも知られています。そのため、海外では実際にこれらの病気の治療薬としても使用されています。

しかし、その一方で、前立腺癌の早期発見に有用とされている腫瘍マーカー「PSA」の血中濃度を低下させる作用があることもわかっています。その結果、前立腺癌が見落とされるケースも。プロペシアを服用中の人は正しく検査結果を評価できるよう、前立腺癌検診などの前に医師にその旨を伝えるようにしましょう。

参考URL

※1)フィナステリド インタビューフォーム
https://www.msdconnect.jp/static/mcijapan/images/if_propecia_tab.pdf
※2)泌尿器科外科23巻2号p.155-166「前立腺肥大症に対する5α還元酵素阻害薬の有用性について」
file:///C:/Users/AN/Downloads/ME-PR-NAMIKI-M-155.pdf
※3) 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版
https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/AGA_GL2017.pdf
※4)日本泌尿器科学会 「PSAが高いと言われた」
https://www.urol.or.jp/public/symptom/08.html
※5)前立腺がん検診ガイドライン
https://www.urol.or.jp/lib/files/other/guideline/10_prostate_cancer_screening_2010.pdf