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【植毛とは】植毛の種類や方法、費用、メリット&デメリットも解説!

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薄毛の改善として、植毛を思い浮かべる方もいらっしゃるのではないでしょうか?そもそも、植毛とはどのようなものか、ご存知ですか?今回は植毛の種類、施術法、費用、メリット&デメリットについて解説します。また、植毛とは違った薄毛の改善方法についてもご紹介します。

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植毛とは?

植毛とは、その名の通り、頭皮に穴をあけて毛を植える医療行為です。1937年に日本人医師、奥田庄二がパンチを使った植毛法を発表したことから始まりました。当時は男性の脱毛症に用いられる治療法ではなく、女性の無毛症に対して行われていました。しかし、現在では男性型脱毛症に利用される対策の一つです。 (※1)

植毛の種類

植毛には大きく分けて、自毛植毛と人工毛植毛という2つの方法があります。自毛植毛はすでに生えている自分の髪を使用します。一方の人工毛植毛は、合成繊維で作られた疑似毛を特殊な針を用いて、頭皮に埋め込む方法です。人工毛植毛においては、短い期間で毛量アップが期待できますが、後で述べるように大きな問題があり、医学的には推奨されていません。 (※2)

自毛植毛の方法

ここでは一般的な自毛植毛の方法を、流れに沿って段階ごとに解説します。

1. カウンセリング

植毛箇所やデザインを、ニーズにあわせて医師がプランニングします。移植先のデザインだけではなく、その他気になる箇所においても、医師がヒアリングします。また、現状の頭髪の太さやクセ、色味なども確認します。

2.ドナー(頭皮)の採取

ドナー周辺の髪を短く刈り、局部麻酔をかけて拡大鏡などを用いながらドナーを採取します。手術跡を縫合すれば採取が完了です。手術直後はつっぱり感や傷の赤みが残りますが、これらは徐々に収まっていき、周辺の髪も伸びてドナー部分が隠れるようになります。

3. 株分け

採取された頭皮は手術のデザインに合わせて小さな単位に株分けします。近年では株分けを顕微鏡下で精密に行う方法が発展しています。

4. 植え込み

いよいよ植え込みです。移植先の頭皮にスリットを入れ、株を植え込んでいきます。スリットが浅すぎれば株が脱落して植毛が失敗し、深すぎれば炎症を起こしたり瘢痕化したりすることがあるため、細心の注意が払われます。

5. 術後

ドナー採取から植え込みまで1日で完了するため、入院は不要です。術中も術後も痛みはほとんどなく、翌日には包帯を取ることができます。移植された髪の毛は1か月前後でいったん抜け落ちますが、半年から1年かけて再成長して生えそろいます。

植毛には効果があるの?

自毛植毛の効果については科学的検証がまだ十分に行われていな状況ですが、国内外で多くの手術例があり、総じて高い成功率が確認されています。移植手術ではドナーが移植先に正常に定着して機能するかどうか(生着率)が問題となりますが、ある研究者の報告では生着率が82.5%以上とされています。

日本皮膚科学会が公表している「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン」では、男性に対する自毛植毛は条件付きで「行うようすすめる」と評価されています。条件とは、治療薬に効果がなく自毛植毛以外に方法がないこと、そして十分な経験と技術を持つ医師が行うことです。女性については手術例が比較的少ないため、「行ってもよい」という評価にとどまっています。

一方、人工毛植毛については数多くの有害事例が報告されているため、FDA(米国食品医薬品局)は人工毛を有害器具に指定し、日本皮膚科学会の「ガイドライン」でも「行うべきではない」とされています。危険性がメリットを上回るというのが一般的な評価です。 (※3)

植毛にかかる費用

自毛植毛の費用は、移植する量や後頭部の状態などにより個人差があります。手術法にも種類があり、グレードの差もあります。また、自費診療となるため病院やクリニックごとに料金システムが異なり、同様の手術でも料金には大きな幅があります。料金の内訳は基本手術費、1株あたりの値段×株数、検査代などです。

例えば、前頭部がわずかに後退している程度なら1000株、少し後退が進んだ状態では1500株ほどの移植が必要となります。1000株の移植術の費用目安は60~100万円程度、1500株では80~150万円程度です。

自毛植毛術は1度に高額の費用がかかりますが、定着した毛根は生きているため特別なメンテナンスは必要なく、効果は半永続的です。ただし、残っている自毛を守るためには投薬治療を併用することが望ましく、その分の費用も計算に入れておいた方がよいでしょう。

植毛のメリット&デメリット

自毛植毛においては、条件つきですすめられていますが、デメリットなどはないのでしょうか。気になる植毛のメリットとデメリットをご紹介します。植毛で後悔しないために、事前に把握しておきましょう。

自毛植毛のメリット

・仕上がりが自然
・定着すれば自然に伸び、メンテナンスが不要
・短い期間で効果が実感できる
・効果が永続する

後頭部には跡が残るものの、移植部位は見た目も手触りも自然で本物の髪と同様に扱えるというのが自毛植毛の最大のメリットです。また、短期間で薄毛の改善が見込まれるため、すぐに効果を求める場合は有効と言えるでしょう。

自毛植毛のデメリット

・費用が高い
・定着しない場合もある
・頭皮に異常が発生するリスクがある
・ドナー部位の髪は失われ、跡が残る
・移植可能な本数には限りがある

一番わかりやすいデメリットは一度に高額の費用がかかることです。また、失敗して定着しなかったり、頭皮に異常が生じたりすれば再手術が必要になるかもしれません。メリットが大きい反面、万が一デメリットが発生した場合の代償もあります。 (※2,3)

植毛以外の薄毛対策

植毛の実施に迷われているようであれば、その他の薄毛対策にも着目してみましょう。代表的な2つを紹介します。

投薬治療

内服薬としてはフィナステリドとデュタステリド、外用薬としてはミノキシジルが用いられます。利用には医師の処方が必要ですが、患者ごとに効果と副作用を検討し、長期的な計画を立て治療をすすめられます。また、万が一の場合でも医師への相談で解決に導くことができるでしょう。

増毛

増毛とは、今ある髪に人工毛を結びつけたり、シートを用いて人工毛を地肌に貼り付けたりする方法です。定期的なメンテナンスや、簡単に髪色を変えられないなどのデメリットはありますが、植毛に比べ、ハードルなく実施できる薄毛対策とされています。 (※2)

植毛は慎重に!薄毛でお悩みの方は専門クリニックにご相談を

自毛植毛は成功率が高く、学会などでも効果が認められている方法です。ただし、どれほどの改善が望めるかは個人差があります。ご紹介したようにいくつかデメリットもあり、費用の問題もあります。

植毛で後悔しないためには、手術の内容や術後のケアに関して医師と十分に話し合うことが必要。加えて、一度の自毛植毛で脱毛症の対策が完了するということはないため、長期的な方針を医師と共有することが大切です。

また、植毛へ抵抗があったり、治療をまだ実施していなかったりする場合には、まず投薬治療などを検討してみるのがおすすめです。植毛ほど費用をかけずに、薄毛の改善が見込めることもあります。

参考URL

※1)日本臨床毛髪学会「学会の歴史」
http://www.jschr.org/history.htm
※2)アデランス「植毛と増毛、どちらの選択が最適?」
https://www.aderans.co.jp/kamiwaza/usuge_kiso_chishiki/choice_shokumou_zoumou/
※3) 日本皮膚科学会ガイドライン「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年」
https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/AGA_GL2017.pdf