AGA治療・治療薬について

検査キットなどの遺伝子検査で実現する、AGAの「個別化医療」って?

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※当院では遺伝子検査を取り扱っておりません

AGAは、原因も症状も進行度合いも人によってそれぞれに異なるものです。原因をみると、遺伝的要因・環境的要因・その両方が影響しているというケースがあります。効果的なAGA治療を行うためには、原因別の治療を行うことが重要です。そのためには、体質に合った治療を選ぶことが重要です。
近年では、AGAでも個別化医療が注目を集めています。ここでは、AGA以外でも話題になっている個別化医療とは何なのか、AGAの遺伝子検査キットでできる個別化医療も含めてご紹介します。

※遺伝子検査は当院では取り扱っておりません

個人に合わせた治療を行うAGAの個別化医療

AGAの個別化医療とは、個人に合ったオーダーメイドの治療です。原因も症状も異なるAGAの患者が、より個々にマッチした治療を受けることができます。個別化医療は、AGAの遺伝子検査によって実現しました。

AGAの治療方法は飛躍的に進歩し、プロペシア®のような治療薬まで登場しました。しかしそれでも、AGAの治療でどの方法を選ぶかは簡単ではありません。人によっては、体質的にプロペシア®の効果を期待するほど得られないという場合もあります。理由は、プロペシア®の有効成分であるフィナステリドへの感受性が弱いためです。せっかく高い効果のあるAGA治療薬を使用したのに、何カ月も効果が出なければ焦ってくるかもしれません。AGAは進行性の男性型脱毛症であり、少しでも早く有効な治療法を見つけて進行を食い止める必要があります。

そこで注目されているのが、AGAの遺伝子検査です。AGAの遺伝子検査を行うと、AGA治療薬が効果的かどうかや、現在の脱毛症状がAGAによるものなのかどうかがわかる可能性があります。時間を無駄にせずに効果的なAGA治療法を選べることで、治療の成果も実感しやすくなります。 遺伝子検査によってどのようなAGA治療が適しているかが分かれば、医師にとっても患者にとってもメリットが大きくなります。検査内容も5本前後の毛髪(毛根部のある)や口腔内から粘膜を採取するだけという簡単な方法で、約1ヶ月で結果が出ると言われています。

最近では、皮膚科や薄毛治療専門の医療機関などのAGA治療を取り扱っている医療機関の他にも、自宅で遺伝子について調べることができる検査キットが市販されています。郵送で完結するため、最寄りにAGA専門の医療機関がなかったり、医療機関に行く勇気がなかったりする人にもおすすめかもしれません。

AGAの遺伝的要因に適した治療法

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AGAの原因にもいろいろありますが、大きく分類すると3つの原因があげられます。まず遺伝的要因、次に環境的要因、最後に遺伝的要因と環境的要因の両方に影響を受けているケースです。遺伝的要因では、AGAの原因物質に影響を受けやすい遺伝子を持っているのが問題となります。男性ホルモンのテストステロンは5αリダクターゼ酵素と結びついてジヒドロテストステロン(以下DHT)に変換されますが、DHTは活性型の男性ホルモンであることからTGF-β1という毛髪成長抑制因子(脱毛因子)を生成させます。毛髪の成長を抑制させてしまう物質ですから、出ないほうが望ましいといえます。

 

それにもかかわらず、遺伝子によってTGF-β1を放出してしまいやすい人がいます。これには、男性ホルモンの受容体であるアンドロゲンレセプターの感度が関係しているともいわれています。 遺伝子によって決まっているアンドロゲンレセプターの感度が強いと、DHTの影響をより強く受けてTGF-β1を放出しやすくなります。つまり、AGAを発症しやすいということです。この場合、5αリダクターゼを阻害するプロペシア®などのAGA治療薬が用いられます。

AGAの環境的要因とは、過労やストレス、睡眠不足などの生活習慣、食生活などを指します。心身の疲労が高まると自律神経に悪影響が及ぶため、ホルモンバランスの乱れにもつながります。すると、アンドロゲンレセプターの感度が高まってAGAを発症しやすくなるのです。ただし、この場合はDHTがあまり関係せず、遺伝的要因とは別の治療法をとるのが適しています。例えば、血行を促して毛髪を成長しやすくするミノキシジルの使用などが一例です。また、生活習慣を改善してストレスをためないような生活をすることも大切です。

中には、遺伝的要因と環境的要因の両方に影響を受けてAGAを発症する人もいます。この場合、AGAの進行はさらに加速してしまう可能性が高くなります。そのため、DHTの生成を抑制するプロペシア®などのAGA治療薬を使用しつつ、生活習慣を改善していくことが有効です。

まとめ

AGAは原因も症状も進行度合いも人によって異なります。個々の患者に合わせた治療を行う個別化医療は、AGAの遺伝子検査キットを用いることで進めやすくなりました。どの治療法が適しているかがあらかじめ分かれば、無駄なAGA治療を行うこともなくなります。もちろん、遺伝子検査は比較的高価な検査ですが、AGA発症のリスクに備え、気になっている脱毛症がAGAかどうかを早めに判断することも可能です。いずれにしても早期に専門の医師に診てもらうことが大事でしょう。

当院では現時点で遺伝子検査は実施していませんが、問診等でAGAの現状評価に加え、家族的傾向等も確認させていただきながら、最適なAGAの薬物治療を提案していきます。また、原則、薬物治療開始前に写真撮影を実施させていただき、投与前、3ケ月後さらに6ヶ月後の経過を患者さんと観察しながら、選択した薬剤の効果(副作用も含め)を見極めていきます。

 

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この記事の監修者

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加藤 淳

防衛医科大学校卒業, 防衛医大附属病院・共済組合三宿病院, 海宝胃腸科外科病院, 札幌いしやま直腸肛門科病院, Epworth Hospital, Melbourne, Australia, 大藤内科外科診療所・北診療所, 外資系製薬企業医師, イースト駅前クリニック新橋院 院長就任