AGA治療・治療薬について

デュタステリドの効果と副作用

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2016年6月、イギリスのグラクソ・スミスクライン株式会社からプロペシアよりも強力なAGA治療薬、「ザガーロ」が発売されました。この治療薬の有効成分はプロペシアの有効成分であるフィナステリドとは異なり、デュタステリドと呼ばれるものです。はたして、デュタステリドはフィナステリドと比べて、AGAに対してどのような効力を発揮するのでしょうか。また、どのような副作用が起こるのでしょうか。
以下では、フィナステリドと比較したデュタステリドの効果と、人体に対して起こる副作用についてご紹介します。

フィナステリドよりも強力なAGA治療効果

デュタステリドは5αリダクターゼⅡ型だけでなくⅠ型の働きも阻害することで、ジヒドロテストステロンの生成をフィナステリド以上に防ぐことができます。5αリダクターゼは、AGAの直接の原因であるジヒドロテストステロンを生成する酵素であり、Ⅰ型とⅡ型の2種類のタイプがあります。プロペシアの有効成分であるフィナステリドは、この2種類のタイプのうちⅡ型の働きのみを阻害します。そのため、フィナステリドでは5αリダクターゼⅠ型によるジヒドロテストステロンの生成を防ぐことは困難です。これに対して、デュタステリドはどちらの働きも阻害するため、フィナステリドよりもAGAの治療効果を有しているのです。

海外のある臨床試験によると、デュタステリドのAGA患者に対する脱毛防止および育毛効果は、フィナステリドよりも優れていることが判明しています。具体的には、フィナステリド1mgをAGA患者に24週間投与するよりも、デュタステリド0.1mgを24週間投与したほうが、AGA治療に効果的であることが分かっています。(※1)

体内に取り込まれた薬の有効成分は、時間の経過とともに効き目が薄くなります。その効き目が最も高かったときの半分になるまでにかかる期間は、半減期と呼ばれます。一般的に、半減期が長いほど薬の効き目が長いことを示します。

デュタステリドの半減期は、通常3~5週間です。フィナステリドの半減期が通常6~8時間程度であることを考えると、デュタステリドは高い持続性を有する成分であることが分かります。ただし、AGA治療薬は女性や子どもにとっては禁忌薬のため、体内から有効成分の効き目が完全に無くなるまでは献血を行うことができません。服用中断後1カ月経過で献血を行うことができるフィナステリドと比べて、デュタステリドの場合には服用中断後6カ月経過しなければ献血を行うことができないため注意が必要です。

精子数減少といったデュタステリド特有の副作用

デュタステリドを服用して稀に起こる副作用には、乳房障害、勃起不全、精子数減少、射精障害、味覚異常、アレルギー反応、めまい、下痢、倦怠感、過敏症などがあげられます。(※2)なお、肝機能障害といった重篤な副作用が起こることもあるため、肝機能に持病がある人は服用する前に医師と相談することが大切です。

デュタステリドによる副作用はジヒドロテストステロンの生成を阻害した結果として起こる症状と考えられており、フィナステリドの服用によって引き起こされる副作用と共通しているものがいくつかあります。ただし、精子数の減少に関してはフィナステリドによって生じることのない副作用です。そのため、デュタステリドには5αリダクターゼⅠ型の働きを抑えたことにより生じるデュタステリド特有の副作用があると考えられます。

もしも上記の副作用の症状が現れた場合には、デュタステリドの服用を中止して、医療機関で医師の診察を受けることが大切です。

まとめ

デュタステリドは5αリダクターゼⅡ型だけでなくⅠ型の働きも阻害するため、フィナステリドよりもAGAの治療に効果を発揮します。ただし、治療効果が強力なために、精子数の減少といったフィナステリドでは報告されていない副作用も引き起こしてしまいます。

AGA治療薬を選択する際には、デュタステリドの持つ利点だけでなく、副作用のリスクについても考えて選択することが大切です。

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参考記事

※1)グラクソ・スミスクライン株式会社 ザガーロカプセル添付文書
http://database.japic.or.jp/pdf/newPINS/00065940.pdf

※2)PMDA、ザガーロカプセル添付文書
http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/249900AM1023_1_05/