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【医師監修】自転車がED（勃起不全）を引き起こすという噂は本当？仕組みや対策について解説

最終更新日：2024年4月16日

EDの中には、器質的な原因によって引き起こされるものがあります。血管系や神経系、内分泌系などに障害が生じることで、勃起に関与するメカニズムが阻害されてしまうのです。器質的なEDは、日常生活の中で身体に物理的な作用が働くことでも引き起こされます。その例としてあげられるのが、自転車です。ほとんどの方に運転の経験や機会のある自転車。その自転車でEDになってしまうというのは本当でしょうか。
今回は、自転車とEDとの関係についてみていきましょう。

この記事の監修者

プロフィール

泌尿器科医として18年のキャリアを積む。通常のEDだけでなく、前立腺がんに伴うEDや骨盤手術によって引き起こされるEDなど幅広い治療実績を持つ。現在はイースト駅前クリニック金沢院で院長としてED治療に専心。金沢院はED問題への深い理解と治療への情熱が好評を博している。

資格

日本泌尿器科学会認定専門医

所属学会

日本泌尿器科学会

EDのその他監修記事

AGAのその他監修記事

目次※知りたい情報をクリック

1.自転車がEDを引き起こすってホント？

2.自転車がEDを引き起こす仕組み

3.自転車が原因のEDを防ぐ方法

4.自転車が原因でEDかもしれないと感じたら、一度治療を検討してみませんか？

5.お近くのED治療専門クリニックを探す

6.参考URL

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自転車がEDを引き起こすってホント？

「健康に良い」「環境に優しい」「交通渋滞や駐車場不足の緩和に繋がる」

こういった理由から全世界で普及している自転車は、我々日本人にとっても非常に身近で馴染みのある乗り物といえます。しかし近年、男性が自転車のサドルにまたがり続けることで会陰部が圧迫され性機能にも影響する、という指摘があるのも事実です。

本当に因果関係があるかは不明

結論から言えば、自転車のサドルに座り続けたからといってEDになるという明確な根拠はありません。。いくつかの大規模調査や研究結果もあるのですが、どれも決め手にかけるからです。

「サイクリングの時間や経験年数とED罹患率に関連はなかった」という報告もあり、ED診療ガイドラインにおいても言及されるものの、リスクファクターとまでは断定されていません。

(※1、2)

EDの原因について詳しく知る

自転車がEDを引き起こす仕組み

勃起は脳からの信号により、陰茎海綿体に血流が流れこむことで生じます。しかし、自転車に乗ると、陰嚢と肛門の間にある会陰という部分の血管が外部から圧迫されてしまいます。自転車のサドルが会陰部を長時間圧迫することで陰茎近くの血流も悪化し、EDとなるという考えです。

アメリカで行われた自転車とEDの相関性に関する調査

アメリカでは、大都市における深刻な交通渋滞の緩和を目的として、警察官や救急隊員ら男性公務員は、日常業務に支障のない範囲で極力自転車を使用するよう求められてきた経緯があります。ある時期、こうした男性公務員から性機能に関するトラブルが次々と報告されるようになりました。彼らの中には「性器が鈍感になった」という症状のみならず「勃起しにくくなった」というEDの症状を訴える人も多く、自転車に長時間またがったことが原因と分析していました。

米国労働安全衛生研究機関は多数の苦情の実態を探るべく、訴えの多い全米自転車警察官組合員から調査を行いました。その結果、長時間の自転車は、生殖器への血流の滞りを引き起こし、性的能力の低下をもたらす可能性があるということが分かりました。
米国労働安全衛生は更に調査を進め、自転車による会陰部への圧力を測定してみることにしました。すると、自転車を漕ぐことで1平方センチメートルあたり202グラムから375グラムの圧力が鼠径部にかかってしまうことが明らかとなりました。(生殖器周辺の血流は、1平方センチメートル当たり162グラムの圧力で悪化するといわれています。)